3月15日を過ぎてからの申告について

お疲れ様です。

静岡の税理士、浅原です。

個人の所得税申告は、

毎年3月15日が申告・納付期限、と決まっていますが、

申告作業について、

3月15日を過ぎてからは、どのような対応が可能なのか

まとめてみました。

久々の気分転換に

3月15日までに確定申告をしておいた場合

本来の申告期限までに、確定申告を済ませている方は、

ひとまず最低限やっておきたいことはできていますので、一安心です。

その申告書の税金計算の中で、

もし間違いがあることに気付いたときには、

つぎの2つのパターンに分けられます。

少なく税金を払っていた場合

納付した税金が、

本来の納付すべき税額よりも、少なく計算されていた場合には、

「修正申告書」を作成し、

本来納付すべき税額との差額を、追加で納めなければなりません。

【参考】 修正申告(国税庁HP)

この際に、

納めた税額が少なかったということで、

ペナルティが発生します。

「過少申告加算税」と「延滞税」です。

こちらのブログに詳細を記載しています。

【参考ブログ】

優先すべきは「申告内容」よりも「申告期限」

このパターンの場合には、

極力早めに修正申告書を修正し、

追加納付することをおすすめします。

早く対応した方が(特に、税務書からの連絡が来る前に対応した方が)、

かかってくるペナルティを少なく抑えることができます。

多く税金を払っていた場合

計算間違いにより、税金を多く払っていた場合には、

税務署に税額の還付を請求していきます。

これを「更正の請求」といいます。

専用の用紙に記入して、

税務署に請求することになります。

【参考】更正の請求(国税庁HP)

更正の請求手続きについては、

請求できる期間が

「法定申告期限から5年以内」

と決められています。

ですので、

「数年前から、ずっと同じような計算間違いをしていた」、というような場合でも、

過去5年間は、さかのぼって請求できます。

税金の払いすぎはもったいないので、

しっかり手続きをしていきましょう。

3月15日までに確定申告をしなかった場合

本来の申告期間までに、申告納付をしなかった場合は、

納税額のあるなしによって、次のパターンに分けられます。

納税額が発生する場合

納税額が発生するのに、

申告期限までに申告・納付をしていかなったというときは、

文字通り、無申告状態となります。

上記の計算間違いの場合よりも、

負担の重い「無申告加算税」と「延滞税」のペナルティがかかってきます。

【参考ブログ】

優先すべきは「申告内容」よりも「申告期限」

もし、私のお客様の中に、

そのような状態の方がいらっしゃったら、

他の業務はいったん停止し、

最短で申告書を仕上げて、最短で税務署に提出する、

という危機度合の高い状態です。

もし申告内容を詰めるのに時間がかかりそうなら、

申告内容は、ぶっちゃけ、6割7割程度の仕上がりでいいので、

とにかく早く申告をしておくことをおすすめします。

(そのあと、しっかり内容の精度を詰めて、修正申告をすることになります。

2度手間ですが、無申告状態よりはいいです)

申告期限の特例

なお、この令和4年の確定申告においては、

「新型コロナの影響による申告・納付期限の延長申請」と、

さらに「イータックスのシステム障害による申告・納付期限の延長申請」が認められています。

【参考ブログ】

【2022年3月申告】申告期限は、メモ書きひとつで「4月15日まで」に延長できる

イータックスのシステム障害に伴う救済措置について

このどちらかの延長申請を利用することで、

うま~くやっていただければ、ペナルティを回避できますので、

検討してみてください。

還付請求になる場合

申告期限までに確定申告はしなかったけど、

確定申告をしても還付になるだけ、という場合には、

「3月15日」という期限は、あまり気にする必要はありません。

よく見かけるのが、

  • 年間の医療費が10万円を超えたので、医療費控除を受けたい
  • 配偶者控除や扶養控除を計算に入れるのを忘れていた
  • ふるさと納税による寄付金控除を、計算に入れるのを忘れていた

というような場合です。

このような場合は、

本来納付すべき税額は、すでに納められておりますので、

申告期限に間に合わないからといって、

ペナルティが発生することはありません。

還付申告の手続き(この場合は、正しくは期限後申告という)は、

あくまで払い過ぎた税金を返してもらう手続き、という意味合いになりますので、

3月15日を過ぎてから申告をしても、

ちゃんと税務署は対応してくれます。

もっとも、還付申告は、

「過去にさかのぼって請求できるのは5年間」、となっていますので、

忘れないうちに、申告をしておくことをおすすめします。