優先すべきは「申告内容」よりも「申告期限」

お疲れ様です。

静岡の税理士、浅原です。

個人の所得税申告について、

昨年の収入に関する確定申告が、

来週15日に、申告期限を迎えます。

申告期限に間に合うように、

税金計算も申告書作成も進めておくのが、理想なのですが、

状況によっては、申告期限に間に合わない、ということもあり得ます。

令和3年分に関しては、

「新型コロナの影響による申告・納付期限の延長申請」という期限の延長が認められているので、

もし間に合わない方がいらっしゃったら、

この制度を利用すれば、4月15日までは、簡単に延長申請ができます。

【2022年3月申告】申告期限は、メモ書きひとつで「4月15日まで」に延長できる

しかし、新型コロナの影響を受けてない、という場合には、

この制度は使えないので、

もし申告期限に間に合わない場合は、どうすべきかについて、

書いてみようと思います。

なんとなく気になって撮った工事現場の写真

申告期限までに申告しなかった場合

次のようなペナルティが発生します。

原則

納付すべき税額があるのに、申告期限までに確定申告をしなかった場合には、

納付すべき税額に対して、15%(最大20%)の加算税がかかってきます。(無申告加算税)

例外1

申告期限までに確定申告をしなかったとしても、

税務調査の通知前に、自主的に申告をした場合には、

無申告加算税の税率は、5%に減額されます。

例外2

例外1において、

税務調査の通知の後に、自主的に申告をした場合には、

無申告加算税の税率は、10%(最大15%)になります。

例外3

「申告期限から1か月以内に自主的な申告をしており」、

かつ「申告期限までに納税は済んでいること」、

加えて「過去5年以内に無申告や脱税等の事実がない」という場合には、

無申告加算税はかかりません。

申告期限までに申告したけど、申告内容に間違いがあった

申告内容に間違いがあって、

本来の納税額よりも、多く払っていた場合には、

修正申告により払い過ぎた分の還付請求ができます。

(正しくは修正申告ではなく「更正の請求」といいます。いつもながらネーミングが分かりづらい)

反対に、

本来の納税額よりも、納付した税額が少なかった場合には、

次のようなペナルティが発生します。

原則

追加で納付する税額に対して、

10%(最大15%)の加算税がかかってきます。(過少申告加算税)

例外1

税務調査の通知前に、自主的に修正申告をした場合には、

過少申告加算税はかかりません。

例外2

例外1において、

税務調査の通知の後に、自主的に修正申告をした場合には、

過少告加算税の税率は、5%(最大10%)になります。

申告期限までに、納税をしなかった場合

税額の納付が、納期限に間に合わなかった場合、

つぎのようなペナルティ(延滞税)が発生します。

  • 納期限から2か月以内の納付・・・納付税額に対して年2.4%
  • 納期限から2か月以降の納付・・・納付税額に対して年8.7%

内容の正確さよりも、申告期限を優先したい

会計データを正確につくらないと、

正しい税金計算はできません。

それゆえ、

自分自身の手で、会計データの作成から確定申告まで行っている方は、

会計データの正確性に不安を抱えたまま、

税務申告書を提出することが多くなるでしょう。

まあ、それは致し方ないことです。

しかし、

内容面にこだわるあまり、申告期限に間に合わないとなると、

上記のようなペナルティが発生し、割を食うことになります。

特に、

申告期限までに申告書を出して、一応の納税をしてあるかどうかが、

ペナルティの多寡を分ける重要な要素になります。

「申告期限までに、一応、申告も納税もした」、

ということにしておけば、

その後、

会計データに間違いがあって、追加の納税となったとしても、

かかってくるペナルティは、

「追加の納税額」に対して、

過少申告加算税と延滞税(税務調査の予知前なら延滞税のみ)で済みます。

しかし、

「申告期限までに申告しなかった」となると、

税務調査の予知前に、自主的に申告したとしても、

「納税額全部」に対して、無申告加算税と延滞税がかかってきてしまいます。

(「例外3」により、申告期限から1か月以内なら、逃げられるかも)

これらのペナルティを踏まえると、

確定申告においては、申告内容の正確さよりも、

申告期限を守ることの方が、優先順位が高いといえます。

まとめ

今年も、申告期限が近づいてきました。

もし、申告期限に間に合わなさそうな方がいらっしゃったら、

申告内容はさておき、

ひとまず、現時点でわかっている金額で、

申告期限までに申告と納付をしておきましょう。

申告内容を詰めていくのは、申告した後でもできますから。