税理士だけど、自分の節税はしていない

お疲れ様です。

静岡の税理士、浅原です。

私は、株式会社と一般社団法人を所有していまして、両者ともに4月決算です。

それゆえ、6月までには、法人税などの申告と納付を完了させなければなりません。

そして、この2つの法人は、ともに賃貸経営を主な事業としており、

幸いなことに、黒字決算になりますので、それなりの額の税金を納めることになります。

さて、税理士の運営している法人ですから、

さぞかし節税対策はきっちりやっているだろうと思われるかもしれませんが、

実際のところ、節税対策はほとんどしていません。

これといって、節税対策をしていない理由を、書いてみます。

やっている節税対策

私が、この2つの法人において節税対策としてやっているのは、

「役員報酬額の増減の調整」と、「信託譲渡」くらいです。

前者の報酬額の調整は、表立っては言うことでもないですが、

年末ごろにやっています。

本来なら、「4月決算 → 7月支給分から金額改定」となりますが、

私の法人は、どちらも「源泉所得税の納期の特例制度」を使っていますので、

7月支給分を税務署に報告するのは、翌年の1月20日締め切りになります。

そこで私は、

「4月決算 → 年内の収益状況を様子見 → 12月頃に、7月支給分から遡って金額改定」

というスケジュール感でやっています。

(ちなみに、これをやるには、他にも諸条件を揃えておく必要がありますので、やるときには慎重に)

【参考ブログ】

「役員給与の変更期間」を長めに確保する方法

調整のタイミングはオリジナルですが、

前期の利益状況や今期の見通しを踏まえた報酬額の調整は、

ほぼすべての事業者さんが行っていることです。

あえて、節税と呼ぶようなものではありません。

後者は、

以前、私個人が所有者だったマンションを、信託譲渡を使って一般社団法人に移動させたことで、

「受託者が株式会社、受益者が一般社団法人」という形態にしました。

これにより、物件の分散保有が可能となり、

一つの法人に所得が集中するのを防ぎ、低税率の範囲での納税が可能となりました。

信託譲渡をしたときは、法務局の登記も関係してくるので手間が増えましたが、

一回やってしまえば、あとは毎年1月に、信託調書を税務署に提出するだけなので、

それ以上、特にすることはありません。

【参考ブログ】

高額不動産の名義変更の強い味方!「信託譲渡」のざっくり解説

私がやっている節税っぽいものは、これだけです。

節税よりも「増益」の方が情熱を注げるから

私が、積極的に節税をしない理由のひとつが、

「増益対策の方が情熱を注げるから」です。

お客様からは、よく、「あれを買えば節税になるかな」とか、

「この支払は経費計上できるかな」など、と質問を受けることがあります。

もちろん、その支払いが経費計上できるものならば、

その金額に対する実効税率分は、節税になります。

しかし、

「経費分のお金が出て行ってしまう」という意味では、

節税以上に資金繰りに与えるダメージは大きいです。

私は基本的に、

「買わずに済むためのアイデア」や「今あるもので何とかしよう」といった

「出費を回避するための行動」に、労力を注ぐことにしています。

出費を回避できれば、その分「増益」となります。

そして自ずと、出費に伴う節税対策という論点も無くなります。

出費自体を回避できなくても、出費の金額を抑えることができれば、

やはり「増益」につながります。

逆に言うと、

「回避できない出費」、すなわち「必要経費」については、

そもそも節税云々という考察は不要です。

節税できようができまいが、払わなければならないからです。

「納税は必要」だと感じるから

私たちの納めた税金が、どういう行政サービスに使われているか、

そこまで詳しくはありませんが、

それでも一般市民として、やはり税金は必要だと感じます。

学校教育、治安維持、地域医療、防災、道路整備、ごみ収集など、

様々な面において、先人たちが税金によって築いてくれた環境の中で、

私もお客様も生活しています。

個人的に、いままで何度も救急車にはお世話になっていますし、

うちの子ども達は、近くの公立学校に通いながら、よく病院にもかかりますけど、

診察代は、いつも薬代込みの500円で済んでいます。

(社会保障も、所得に応じて納付するという意味で、税金の一種だと考えています)

県庁や市役所に行くと、暇そうにパソコンを眺めているおじさんたちがいっぱいいて、

「もうちょい、ちゃんと働けよ」と思ったりもしますけど、それとこれとは別でしょう。

行政サービスの提供のしかたについては、大いに改善の余地があるとは思いますが。

それでも、

治安が不安定だったり、医療環境が脆弱な国よりは、

多少税金が多めで、かつ行政サービスに多少問題があったとしても、

私は、これからも日本で、生活をしていきたいです。

昨日の仕事

  • 月初のキャッシュポジション定点観測
  • 新たなパソコンの選定

昨年の年末あたりから、事務所で使っているパソコンの動きが、鈍くなってきた。

3万円で買った中古のパソコンだったが、5年間、十分に働いてくれた。

今回は、CPUもメモリも、あまりケチケチしないことにした。

動作の待ち時間が減ることの方が、私にはうれしい。

玄関先にとりつけたミニ鯉のぼり
ごてごてしているけど、まあこれはこれで・・・
鯉のぼりが、風に乗る