固定資産税のコントロールができない部分とできる部分

お疲れ様です。

静岡の税理士、浅原です。

賃貸経営には、避けられない大きなコストとして、固定資産税があります。

法人税や所得税と違って、固定資産税は、納税者側のコントロールが及びません。

コントロールが及ばない固定資産税、という点について、書いてみようと思います。

来るとわかっていても避けられないのが、急なひざ蹴りと固定資産税

コントロールが及ぶ法人税・所得税

利益に対してかかる税金は、

金額面では、納税者側でのコントロールが効きやすいといえます。

代表的なものが、法人税、所得税、事業税、市民税です。

利益額を、節税手法によって増減させることで、

それに合わせて納税額も変動します。

一言でいえば、節税による利益調整です。

ときには、銀行からの視線を意識して、あえて納税額を増やす、ということもあります。

逆に言うと、

節税の範囲内でしか、納税額のコントロールは及ばない、

ということになります。

コントロールの効きやすさゆえ、とるべき選択肢が決められずに、悩んでしまうことも多いですが。

見方を変えれば、「利益」とは絶対的なものではなく、

当事者の思惑や背景事情によって変わる「意見」である、とも言えるでしょう。

コントロールが及ばない固定資産税

固定資産税は、市役所側で税額の計算をして、納税額を通知してきます。

税金計算のベースになる金額(固定資産税評価額)自体を、行政側で決定してきますので、

ほぼ完全に、納税者側でのコントロールはできません。

支払い時期も、年4回の分割払い、と決まっています。

不動産を持ってしまったら、

行政側が決めた時期に、行政側が決めた固定資産税を支払うことを受け入れなくてはなりません。

コントロールが及ばない中で、少しでもコントロールするために

前述のとおり、固定資産税の金額については、

納税者側のコントロールは及びません。

もっとも、日々の生活の中では、

自身のコントロールが及ばないものには、何かと振り回されがちですが、

幸い固定資産税には、ルールがあります。

このルールを把握しておくことで、

少しでも固定資産税に振り回されるリスクを減らすことができます。

固定資産税について、把握しておきたい点は、つぎのとおりです。

総額を把握する

固定資産税の総額は、

毎年4月に市区町村から送られてくる固定資産税通知書で確認できます。

そして、年に4回の分割払いですから、

総額を4で割った金額が、1回あたりの納付金額になります。

納付期限の直前になって慌てないようにするためにも、

「納付時期になると、その納付額相当額のお金は、支払って無くなるのだ」ということを、

脳裡に焼き付けておかなくてはなりません。

納付時期を把握する

年に4回の分割払いですが、

静岡市の場合は、1月初旬、2月末、4月末、7月末と決まっています。

見てお分かりのとおり、1月~7月までは、納付が連続してきついです。

全国の市町村でも、おおむね似たようなスケジュールです。

このスケジュール感を把握しておく必要があります。

7月ごろまでは、いつもだいたい、お金は残らないぞ、と。

口座引き落としにはしない

固定資産税の納付に不安のある方は、

納付額の口座引き落としの設定はやめておきましょう。

そして、納付時期を忘れずにおいて、

時期が来たら、銀行窓口にて自分で納付するようにしましょう。

固定資産税は、納付額も納付時期も決められてしまっていますが、

延滞税を気にしなければ、納付時期は自分で選べます。

もちろん、

未納付状態が長くなれば、延滞税も増えますし、差し押さえの危険性も考えなくてはなりませんが、

基本、コントロールが及ばない固定資産税について、唯一コントロールができるのは、

この納付時期だけです。

本当に資金繰りが苦しいときは、納付を先送りする、という選択肢もありです。

手放すことも考える

何の活用もされずに、放置状態の不動産であれば、

手放すことも考える必要があります。

住宅の建っている地域にある不動産であれば、何かしら有効活用の道はあると思いますが、

良いアイデアが浮かばない場合には、手放して現金化するのも一つの方法です。

不動産は現物資産ですから、

持ち続けるだけで、毎年の固定資産税と、何かしらのメンテナンス費用や手間は発生しますので。

下手に、運転資金の借り入れの際の不動産担保にしてしまったりすると、

抵当権が消せずに、手放すことすらできなくなることもあり得ます。

まとめ

固定資産税について、書いてみました。

いまは、ある程度余裕をもって、資金繰りが組めるようになりましたが、

賃貸経営を始めた最初の数年は、固定資産税を支払うたびに減っていく手元資金を見て、

年に4回、涙を流していました。

固定資産税は、ひたすら、受け入れていくしかないです。

昨日の仕事

  • 新しいパソコンのセッティング

ミニパソコンが、本当に小さくて驚いた。

性能もデスクトップと変わらない。

こんなにパソコン周りがすっきりするなら、もっと早く使えばよかった。