定年延長はオイシイ。企業に頼るだけでなく、新しいライフスタイルの提案を!

お疲れ様です。

税理士の浅原です。

前回のブログで、65歳定年の延長における会社側の負担について書きましたが、

同時にそれは、雇用される従業員側にとっても、重要な問題です。

「65歳超雇用推進助成金」、ついつい反応してしまう助成金

今度は、従業員側の視点から、書いてみたいと思います。

イオンでスニーカーを探しているときに、
「これ、履きやすいなー」と思って買ったら、
まったく同じものを持っていました。
最近、ボケ方の深度が怖い。

定年延長はおいしい

年配社員の立場からみれば、定年延長は「おいしい」、と思います。

まず、60代前後の年配社員になってから、

現在の勤務先と同じ条件で雇ってくれる会社を他にを探してみても、

そんな会社は見つからないと思います。

採用する側からすれば、どう考えたって、

同じお金を払うなら、若い人材の方がいいに決まっています。

現在の勤務先も、下げられるなら下げたい給与を、

労働法の壁があって下げられないので、無理して払ってくれているだけ、

と考えるべきでしょう。

年配社員にとっては、できれば辞めたくないと思っている職場で、

65歳を過ぎても同じ条件で引き続き働けるというのは、

「当然」ではなく「ラッキー」と受け取るべきだと思います。

年金もらって悠々自適、という昭和モデルに代わるもの

とはいえ、現実的に、日頃私が関与している中小企業においては、

年配社員を雇い続けるだけの体力のある会社は、少ないです。

無理を承知で、年配社員の雇用を続けていれば、どこかにしわ寄せが行きます。

人件費が原因で、赤字体質から脱却できない、とう会社は多いです。

(そういう会社に限って、社長はとてもいい人が多いのですが)

赤字続きで、運転資金が枯渇して倒産、というのでは、

定年延長の趣旨からすれば、本末転倒ですので、絶対に避けたい事態です。

思うに、昭和の時代の「定年後は、年金もらって悠々自適」という標準モデルに、

疑いを持ちつつも幻想を捨てきれない人が多い、と感じます。

経済成長が当然だった時代は、とうに過ぎて、

いまは、経済が縮小していく中で、生涯現役時代になりました。

これから先は、サラリーマンとして働くにせよ、事業主や経営者として働くにせよ、

「長~~く働く、働き続ける」ということが、テーマになると思います。

50代からのセカンドキャリア

人生の3大資金といわれる「教育資金」「住宅資金」「老後資金」についても、

教育資金と住宅資金は、40代までに工面のめどをつけて、

老後資金は、50代からのセカンドキャリアで作り出していく、

というような新しいモデルケースを、政府は早く示す必要がある、と感じています。

今後は、50歳前後でのキャリア転向、もしくはステージ変更が一般的になってくるのではないでしょうか。

一部の大企業を除いては、定年廃止を取り込める会社は多くはない。

むしろ、早期退職制度に力を入れる会社の方が多くなるのではないか、と感じています。

そういう中では、60歳からのキャリア転向では遅すぎるし、

30代40代では、まだ子育てや家庭の負担が大きくて、

大胆なチャレンジはしにくいであろうこと考えると、

子育てが落ち着く50歳前後が、最もキャリア転向に取り組みやすい時期なのではないかと思います。

キャリア転向のイメージは、次のようなものです。(特に真新しいものはありませんけど)

  • 今までの専門性や経験値を活かして、定年制のない企業への転職
  • 同様に、専門性、経験値、人脈を活かして、スモールビジネスを起ち上げる
  • 若いころから資産形成を進めて、そこからの収入を確保しておき、定年後は、年金収入+資産からの収入+軽いバイトでやっていける など

いずれも、他者が、お金を払ってでも得たいと思うだけの専門性や経験値を、

自分の中に蓄えておくことが必要になってきます。

普通のサラリーマンとして働きながらも、

「自分自身の労働市場における価値」、というものを、

常に意識して過ごしていくことが求められる時代になっていくのではないかと思います。

まとめ

先日、サントリーの新浪社長が「45歳定年制」という考えを披露していました。

結果的には、新浪社長のサイトが炎上してしまったようですが、

私自身は、けっこう現実味をもった考え方だなと感じました。

日本のように、資源の乏しい国においては、水や空気や電気と同様に、

人材も、無駄なく有効活用できるような風土が必要なのではないか、と思いました。

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