税理士を変えたいと思ったら・・・

お疲れ様です。

税理士の浅原です。

ビジネス上の取引や、業務の依頼をする際に、お相手の方とやり取りをしていく中で、「どうもこの人とは合わないなー、うまくいかないなー」というときがあります。

仮に私が事業経営をしていて、顧問税理士とうまくいかなくなってしまったときは、どうするのがいいのか、私の考えを書いてみようと思います。

魚釣りも人間関係も、底物を拾い上げていきたいです。(底物中年男子)

お客様も税理士も「平等」が大前提

私は、人間関係は、お互い平等であることが望ましいと思っています。

誰しも、持っている能力や財産、立場に違いはありますけど、そういったものを背景に、何かを強制したり、反論を許さないような関係は嫌です。

どんなときでも、相手の自由意思を尊重できる関係でありたい、と思っています。

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もし、いまお付き合いしている税理士が、上から目線の物言いだったり、一方的に約束を破って、ろくに説明も謝罪もない、という感じであれば、そういうときは、いきなり税理士を変えるのではなく、まずは関係の修復に着手してみるのがいいと思います。

開業税理士はたくさんいますので、自分と合わない税理士はバンバン交換していく、というのも、時間があるならいいのですが、限られた時間の中で成果を上げようとするなら、効率が悪いです。

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社長の言い方がまずくて、相手を頑なにさせてしまっている可能性もあります。

社長が、経理や事務仕事に無関心だったり、決算ごとに報酬の減額を要求してくる、という感じだと、ちゃんとした税理士だったとしても、やっきりしちゃうかもしれません。

まずは、今お付き合いしている税理士がいるならば、その税理士と、お互いを尊重して、忌憚なく意見を言い合える関係を作ることに、少しパワーを割いてみることをお勧めしたいです。

関係作りがうまくいかないとき

平等な関係を目指して努力してみたものの、税理士の姿勢は相変わらず・・・、というときは、顔を合わせるのもストレスでしょうから、別の税理士を探してみるのがいいと思います。

段取りとしては、まず、既存の税理士との「接点を減らしていく」のがいいと思います。

「会社への訪問を今までの半分の頻度にしてほしい」、「決算書と申告書以外は自分でやるから、源泉税の納付書の書き方や年末調整のやり方を教えてほしい」という感じで、徐々に税理士に依頼する項目を減らしていきます。

「コスト削減」というお題目でもいいので、そういうふうに、税理士との接点を減らして、一緒にストレスも減らして、可能ならば報酬も減らしてもらいます。

お付き合いする税理士は、複数いてもいい

いきなり既存の税理士を切り捨ててしまうと、その後、新しい税理士が見つからないまま、決算申告期限を迎えてしまうかもしれません。

そうなると、逆に社長の方が追い込まれてしまいます。

とにかく申告期限までに新しい税理士を見つけて、決算申告をやってもらわなければならない、となってしまったら、税理士が合う合わないなんて、関係なくなってしまいます。

また、仮に良さそうな税理士が見つかったとしても、税理士側にも都合がありますので、すぐに仕事を受けることはできないかもしれません。

ですので、既存の税理士とは、依頼する仕事を最低限に抑えて、細々と関係を維持しておきましょう。

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その裏で、新しい税理士を探していきます。

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私にも経験があるのですが、「会社の帳簿と決算申告業務は、浅原君にお願いね。個人の所得税申告は、別の税理士に頼んでおくね」と言って、2人の税理士とお付き合いされていた社長がいらっしゃいました。

社長曰く、「別の税理士さんとの関係も、ゼロにするわけにはいかないもんでね」ということでした。(ゼロにしてはいけない理由は、聞けませんでした)

(最終的には、その『別の税理士さん』が、自分の息子さんに会計事務所を引き継がせたタイミングで、私に仕事をまとめて依頼してくれるようになりました)

そんな感じで、税理士に任せたい仕事のうち、一部(年末調整とか個人の申告とか)を、これぞと思われる新しい税理士に任せてみて、しばらく仕事ぶりを見てみるのがいいと思います。

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お金を払って実際の仕事ぶりを確かめないと、相手の人となりは、掴みきれません。

複数の税理士の仕事ぶりを、同時期に見れれば、税理士ごとに、仕事への姿勢や顧客対応、得意分野などの比較ができるので、ミスマッチのリスクを減らせます。

その新しい税理士が、きっちり仕事をこなして、必要な助言や提言をしてくれて、社長の要望にもしっかり応えてくれる、と確認できたら、今度はその税理士を顧問税理士にして、古い税理士との関係は終了、ということでいいと思います。

税理士は、能力よりも「姿勢」が大切

実際、私自身が税理士をしていて思うのですが、税理士としての基本性能は、税理士資格をもっている人なら、ほとんど同じだと思います。

税理士ごとに、得意分野や得意な業種などの偏りは、多少はあるでしょうけど、データを入力して会計帳簿を作成して、決算書、申告書を完成させる、という一連の作業は、税理士であれば、だれでもできます。(そのあたりの基本業務に自信のない税理士ならば、たぶん独立開業はしないでしょう)

では、どこで差がつくのがといえば、社長や会社さんとの関係づくりだと思っています。

税務署よろしく、細かい税法の話しかできない税理士と、たとえ経験が浅くとも、いつも会社のことを考えて、社長の側に立って仕事をしてくれる税理士ならば、断然、後者の税理士の方が頼りになりますし、ストレスもありません。

私の考えとしては、税理士を選ぶ際には、経験や能力や実績よりも、「お客様への姿勢」で選ぶのがいいと思います。

以上、ご参考まで。