即買い物件から学んだ「本心」と「行動」を一致させる重要性

お疲れ様です。

静岡の税理士、浅原です。

私が保有する賃貸物件のうち、

平成25年に購入した軽量鉄骨のアパートがあるのですが、

このアパートは現在、理想的な運営ができています。

定期的に退去の連絡はあるものの、

短期間のうちに次の入居が決まり

(最短では、退去連絡の次の日に決まりました。長くても、リフォームが完了する前には決まっています)、

他の物件に比べて、保有していてストレスが少ないです。

私は、

平成28年から29年にかけて、

持っていた物件の半数以上を処分しました。

しかし、その際にも、

このアパートだけは売りに出すことはしませんでした。

それだけ、この物件がもつポテンシャルに魅力を感じていました。

もっともこの物件、前の所有者様は、

「顧問税理士に売却するように言われて」売却することを決定した、

ということでした。

当時は、

「こんないい物件を、なぜ売却に出すのだろうか・・・」、

「何か表に出せない事情があるのかな」と疑問に思っていました。

日頃から、

自分の本心と行動を一致させるのは、本当に難しいと感じています。

そもそも、

「自分の本心が掴めない」、ということも多いです。

ある意味、

自分の本心を定めることが、経営者やフリーランスの仕事、

とも言えます。

本心が定まれば、自ずと、

その先の行動につながっていくからです。

上記の物件の売買でも、

本心と行動を一致させることの大事さを垣間見ることができました。

即買い物件

この物件は、購入当時、

築8年目という築年数の短い状態で、売りに出されていました。

築浅で入居率もよいこの物件が、どうして売りに出されたのか。

購入前の私は、その背景事情がとても気になっていたため、

売り手側の仲介会社様に、直接お聞きしたいと思っていました。

現地調査の日に、売り手側の仲介会社様がお見えになったので、聞いてみると、

「売主さんが、顧問税理士に『売った方がいい』と言われて、売る気になった」とのこと。

それ以上のことは売主からは聞いていない、ということでした。

購入当時、この物件は次のような状態でした。

  • 表面利回りは、約10%
  • シングル世帯用の間取りで、入居率は90%
  • 築年数が浅く、そのため、現代のニーズが間取りや設備に反映されており、ひとつひとつの空間を広めにとってある
  • 1世帯に1台の駐車スペース付き
  • 近隣に、ドラッグストアやコンビニがあり、生活に便利
  • 幹線道路から近くて、移動に便利

買う側からすれば、即買い決定ですが、

売主側から見れば、どこに売る必要があるのかわかりません。

そこで、買い付けを入れつつ、

もう少し売主様の背景を探ってみることにしました。

わかったことは、つぎのようなことでした。

  • 売主様は、市内で鉄工所を営んでいる経営者
  • 年齢は、60過ぎ
  • 鉄工所の経営は順調だが、土地活用を目的にアパートを建てた際の借金だけが、残っている
  • 「そのアパートの借金が無くなれば、財務状態はピカピカになるから」と顧問税理士に勧められて、売る気になった

仲介会社様の話を聞く限り、

売主様は、この売買では主導的な立場ではなさそうです。

案の定、買い付けを入れてから、回答をいただくまでに、

2か月ほどかかりました。

ちなみに、回答をいただくまでのその2か月間は、

売り手側の混乱、ここに極まれり、というものでした。

別の仲介会社から「うちを通して売買してほしい」と、しつこくアプローチがあったり、

抵当権者である地元地銀から「うりで借りてくれないと、抵当は消せない」という嫌がらせを受けたり、

「ではおたくから借りましょう」と、その地銀で稟議を上げてもらったら、本部の審査が通らなかったりとか(なんじゃそりゃ)、

さんざん外野に引っ掻き回され、時間を無駄にする羽目になりました。(外野の皆さんも)

やっぱり本心とは違っていた

代金決済の日に、売主様と顔を合わせることができました。

私は、売主様に、

抱えていた疑問をぶつけてみることにしました。

「〇〇さん、本当にこのアパート、手放してしまっていいのですか?」

仲介会社の社長が、「おいおい」という顔をしているのはわかりました。

しかし、

登記簿に乗っている借入金額と金利、そしてこの入居率であれば、

資金繰りは余裕で回っているはずです。

売主様も、年配の方ではあるものの、

見た感じでは、経営者として引退するには、まだ若すぎます。

私は、売主様の本心を聞かずにはいられませんでした。

私の質問に対して、売主様は次にようにおっしゃいました。

「顧問税理士から、売って借金を完済するように言われているもんでね、しょうがないよ」

私の推察は、こうです。

  • 鉄工所を営む経営者様が、事業の引退後を見据えて、老後の年金代わりに、アパートを建てた
  • 鉄工所の経営は順調で、そちらでの借金もなかったということから、おそらくこの売主様は、資金繰り管理能力の高い方で、アパート経営についても、収入と支出のバランスを考えて、安全にやっていた。
  • しかし、顧問税理士は、「借金を悪」と捉えるタイプの方で、無借金状態を是とする考えに固執していた。
  • 素直な性格の売主様は、自分の本心としては手放したくはないものの、顧問税理士との関係を重視し、アパートの売却を決めた。
  • しかし、売主様のご親族や周りの方は、「順調にいっているアパート経営を手放す必要はない」と抵抗し、一時、取引銀行やアパートの管理会社を巻き込んで、混乱状態を引き起こした。
  • 混乱状態を見かねて、社長が事態の収束を図るべく、意思を固めた。

「本心」と「行動」の一致

上記は、あくまで私の推察ですが、

それでも、「自分の本心とは違う行動をとると、状況が混乱しやすい」、というのは、

以前から感じていました。

売りたくない・・・でも、売る

やりたくない・・・でも、やる

会いたくない・・・でも、会う

行動を推し進めるための「意思」が、そもそも「行動」とは正反対の位置にあるわけですから、

行動にも勢いがないでしょう。

そのような状態では、簡単に、他人の意見に流され、翻弄されてしまいます。

そして、周りのから見えるのは、「行動」だけですから、

本人の意思とは違った方向に進んでいってしまうのは、当然の結果と言えます。

他人の意見を聞く、というのは、

経営者として大切な要素であるのは、間違いありません。

しかし、

自分の本心を抑え込んでまで、他人の意見を受け入れる必要があるのかというと、

それは、疑問です。

むしろ、

どうしても曲げたくない本心があるからこそ、

経営者を続けているのではないでしょうか。

本心を貫くにしても、本心を曲げるにしても、

経営の世界ではどちらにもリスクはあります。

ただ、私は両方ともリスクがあるならば、

本心を貫く方のリスクを取るように心がけています。

本心を貫く方の選択をしておけば、

将来死ぬときに、きっと後悔が少ないでしょうから。

昨日の仕事

  • 清水区三保のお客様へ月次報告

あわせて、依頼いただいていた紫微斗数鑑定の結果も報告

小さなお子様の鑑定だったので、答え合わせはできなかったが、鑑定結果としてお伝えした行動傾向は、すでに垣間見えてるようだった

生年月日時という情報だけで、ここまで傾向が特定される、ということに、我ながら驚く

  • 清水区美濃輪町のお客様へ月次報告
  • 清水区江尻町のお客様へ資料の受け取り
  • 清水区アパートの空き部屋のリフォーム仕上げりの確認

いつも、入居日までにきれいに仕上げていただいて、リフォーム会社様には感謝しかない

三保街道を父の運転で