お疲れ様です。
静岡の税理士、浅原です。
事業用太陽光発電の固定価格買い取り制度が始まったのが、
いまからちょうど10年前になります。
1kwあたりの買い取り価格が、最初は税抜き40円だったものが、
いまでは、11円まで下がりました。
買い取り制度が始まった当時、
私はちょうど税理士として独立した直後でした。
そのころは、時間に余裕がありましたので、
太陽光発電の投資案件としての側面に着目して、いろいろと調べていたところ、
セミナー講師として声がかかり、
東京や大阪、京都などに出かけては、説明をしていました。
そういった中で、私自身何度も、
「浅原さんは、太陽光発電への投資はしないのですか」と聞かれたり、
業者様から、ぜひ良い案件を紹介させてほしい、とアプローチがありましたが、
結局、最後まで手を出すことはしませんでした。
どうして、事業用太陽光発電に手を出さなかったのか、書いてみます。

それでも、パネル代も同じように安くなっているから、
儲けは出るのでしょうね。
ビジネススキルの獲得につながらない
事業用太陽光発電においては、太陽光パネルを設置したあとは、
特にすることはありません。
ただ、晴れの日が続くこと、
そして台風や地震などで、太陽光パネルが壊れないことを祈るだけです。
人との関わりもトラブルもない
(事業用発電の場合、隣地所有者や地域住民との関わりはあるかもしれませんが、賃貸アパートに比べたら、ないも同然です)
設備トラブルも、基本はない
(あっても、自分では直せないでしょうから、すべて業者さん任せですね)
法律トラブルもないでしょう。
別に、トラブルを歓迎しているわけでも、
トラブル大好きという変態さんでもないですけど、
「何も起きない」ということは、「何も身に付かない」、ということです。
アパート・マンションの賃貸経営を、それなりの期間やってきましたが、
やはり毎年何らかのトラブルは発生しますし、
悩みを抱えながら、経営をしてきました。
それらを解決するために、
調べて、探して、聞いて、計画を組んで、交渉して、発注して、確認して、支払って、
を繰り返してきました。
その結果、かなりの経験と知識を身に付けることができました。
太陽光発電には、それがありません。
太陽光発電を10年やっても、
ビジネススキルの成長は、ほとんどないでしょう。
民間マーケットがあるわけではない
太陽光発電には、売電のマーケットがあるわけではありません。
(あるにはありますが、ビジネスとして成立するような価格ではない)
それなのに、ビジネスとして成り立っているのは、
経済産業省の固定価格買い取り制度があるからです。
つまり、国が、
再生可能エネルギーを普及させるために意図的に作り出した価格のゆがみのおかげで、
収益が出るような状態を作り出せている、に過ぎません。
よって、
この固定価格買い取り制度が終われば、
ビジネスとしての太陽光発電も終了することになります。
自分の努力とは関係ないところで、
終わる時期が確定してしまっているビジネスに、
自分のリソースを投入する気になれませんでした。
お金しか残らない
太陽光発電は、地球環境に負荷を掛けない、という点で、
間違いなく素晴らしいものです。
その点に異論はありません。
しかし、
ビジネスとしての太陽光発電を捉えたときに、
これほどつまらないものはないだろう、と思ってしまいました。
確かにお金は残るでしょう。
金主が損をしないように、
国が、業者さんが、いろいろ整えてくれているのですから。
しかし、
山の方の空き地を借りて、パネルを並べて、
20年経ったら、パネルを撤去して、空き地も返して、と、
こんなつまらないことに、大切な時間を掛けられない、と思いました。
まとめ
事業用太陽光発電に手を出さなかった理由を書いてみました。
それでも、セミナー講師を引き受けていたのは、
単純に、お金は儲かるであろう、という投資案件としての側面は優れていると感じたからです。
(あと、人前でしゃべることは、それなりに充実感があったから)
しかし、
セミナーでお金は儲かるよ、と言いながら、
自分ではやらないことに、自己矛盾を感じて、
結局、セミナー講師は1年くらいで辞めてしまいました。
昨日の仕事
- 清水区江尻東のお客様にて、他社への経営支援に関する打合せ
「社内に競馬事業部をつくろう」という話があるらしい
利益が出ていればいいけど、損失がでたときに、「社長の趣味を会社名義でやっているだけ」と、税務調査から指摘されないか心配
それにしても、ユニークな方たちだ
- 農協にて、お客様の生命保険情報の確認
- 会計データの入力