お疲れ様です。
税理士の浅原です。
リスケのデメリットで最も重要なのが、
「リスケ後は、新規の借入ができなくなる」という点です。
リスケの申し込み先である金融機関からは、今後は借りられない、
と考えておくべきです。
また、リスケ時点では、取引のなかった金融機関からも、
基本的には、融資の相談をしても断られるだろう、
考えておいた方がよいです。
ビジネスにおいて、新規の借入ができない、というのは、
とても深刻な状態と言えます。
そこで、リスケに踏み切る前に、チャレンジしてほしいことがあります。
既存融資の組み直し(リファイナンス)です。
リファイナンスには、決まった形があるわけではありませんが、
王道ともいえる基本パターンがありますので、それについて説明します。
リファイナンスの基本パターン①「折り返し」
たとえば、最初に3,000万円の融資を受けて、
現在、3分の2の返済が進んだものとします。(借入残高は、残り1,000万円)
この段階で、再度3,000万円の融資を受けて、
既存の1,000万円の残高を返済してしまいます。
そうしますと、
借入残高は、1,000万円から3,000万円に増えますが、
ニューマネーとして2,000万円を手元に残せるので、
運転資金に余裕を持たせることができます。
金融機関からすると、最初に3,000万円を貸した時点で、
「貸出3,000万円」というバーは、すでに本部の審査をクリアできています。
ですので、さらなる追加融資となった際に、多少、貸出先の事業の業績が芳しくなくても
トータルでの貸出金額が3,000万円に収まっているのなら、
本部審査の交渉がしやすいわけです。
「運転資金としてニューマネーがほしい」という場合には、
まず、この方法を検討してみるとよいです。
リファイナンスの基本パターン②「組み換え」
「いま以上に借入金額を増やしたくない」という場合に、とる方法です。
新たに借入を行い、その借入金を使って既存の借入金残高を返済する、
という段取りは、上記「折り返し」と同じです。
違うのは、新たな借入金額を、既存の借入残高と同額に設定すること。
そして、新たな借入の条件の中で、返済期間をロングスパンで確保すること、です。
たとえば、既存の借入金を完済するまでに、あと5年かかるとします。
これを、組み換えによって、新たな借入の返済期間を10年に設定できれば、
運転資金は増えなくとも、毎月の元本返済は、従来の半分で済むことになります。
借入を増やさずに、資金繰りを楽にしたい、という場合に用いられる方法です。
まとめ
これらの方法は、既存借入が1本の場合はもちろんのこと、
複数の借入がある場合にも使えます。
そして、保証協会の保証の有る無しによっても、扱いが変わってきます。
また、取引している金融機関ごとに交渉していくことになりますが、
リスケとは違い、必ずしも、すべての金融機関の足並みを揃える必要はありません。
以上です。
お読みいただき、ありがとうございました。