繊細かつ大胆な経営判断、それは繰上げ返済

お疲れ様です。

税理士の浅原です。

現在、銀行から借りている設備資金について、繰り上げ返済をしようか検討しています。

繰り上げ返済の注意点を書いてみます。

用宗漁港に、こんなおしゃれな施設があったのですね。
全然知りませんでした。
一日釣りをして、サウナ入って、ご飯食べて腹いっぱいになったら、
もう思い残すことはないでしょう。

一括(全額)返済の注意点

既存の銀行借入の残高全額を、一括で返済してしまうパターンです。

借入契約が複数ある場合には、契約ごとの一括返済が可能です。

このパターンで気を付けたいのは、

一括返済後に、手元の運転資金が大幅に減ってしまうので、

その後の資金繰りが手元資金だけで持つかどうか、資金計画を慎重に見極める必要があります。

資金計画が甘いと、一括返済をした直後に、再び資金不足になって借りてくる、

という事態を招く可能性があります。

新たにお金を借りる際にかかる事務手数料や、担保設定費用などを考えると、

一括返済はせずに、当初の約定通りの返済を続けた方が、出費が少なく済む場合もあります。

一括返済をするのは、

「返済したあとの手元資金だけで、その後2~3年間は、借入なしで運営できるだろう」、

と見込めるくらいの余裕があるときがよい、と思います。

一部返済の注意点

借入残高のうち、一部分のみを、先に返済してしまうパターンです。

個人的には、あまりおすすめできません。

一部分のみの繰上げ返済をしたとき、返済金額がどの月の返済に充当されるか、というと、

通常は、最後の返済額の方から、充当されていきます。

(日本政策金融公庫の場合は、一部返済金額を、翌月からの返済額に充当する、ということが可能ですが、民間金融機関の場合は、最終の返済額から充当するというのが一般的です)

そうした場合、一部返済後にどういう状況になるか、というと、

「トータルで支払う金利は減る」ものの、

「毎月の返済額は今までとほとんど変わらない」し、

「手元の運転資金は減ってしまう」という状態になります。

つまり、毎月の資金繰りは苦しくなる、ということです。

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個人的には、これが許容できるのは、サラリーマンの住宅ローンの場合に限る、と思っています。

サラリーマンならば、仕事を休まない限り給与は入ってきますし、

事業者に比べて赤字になりづらいからです。(最近はそうとも言えませんけど)

現代の低金利状況においては、一部返済のメリットはほとんどない、と思います。

毎月の返済額を抑える形での一部返済もある

一部返済のパターンのうち、返済額を、後ろの返済に充当するのではなく、

「一部返済後の借入残高をベースに、返済計画を作り直す」というパターンです。

減少した借入残高に基づいて、返済計画を作り直しますので、

月々の返済金額は減りますし、トータルで負担する金利も減ります。

もっともこのパターンは、銀行側から見ると、

返済条件の変更(いわゆる条件変更、すなわちリスケ)、ということになります。

お察しの通り、この要求を担当者に伝えると、

「え!何で、〇〇社さん、返済きついの?支店長を連れてきますよ」という感じで、

ちょっとしたイレギュラーイベントの始まり、みたいになります。

本部を通さなければ処理できない案件、というのは、どうしても支店側に負担をかけてしまいます。

加えて、毎月の元本返済額を減らしてほしいという要望は、基本的に本部側は、ネガティブに受け取ります。

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もうこの先、この銀行からお金を借りることはない、ということならいいかもしれませんが、

人生も事業経営も先のことはわかりませんので、

既存借入の条件変更になってしまうこのパターンは、極力避けるべきだと思います。

かつて、私も銀行借入が大量にあった時に、毎月のキャッシュフローを少しでも改善したいと思って、

「一部繰上げ返済するので、毎月の元本返済を減らしてほしい」、と銀行にお願いしたのですが、

担当者さんから「浅原さん、やめときな。次借りるとき、本部審査を通しづらくなるよ」と言われて、

依頼を取り下げた、という経験があります。

銀行からの「考え直してほしいな~ (^_-)-☆」という圧力を感じる

銀行の利益の元は「金利」なので、どこの金融機関でも、貸出残高を維持していく、ということに、

常にフルパワーを注いでいると感じます。

ですので、繰上げ返済の話を持ち出すと、担当者さん達は、一様に、苦々しい表情に変わります。

担当者さんの態度に遠慮して、モジモジしていると、「考え直しましょうよ」と押し戻されて、

頑張ってその壁を超えたとしても、次には支店長の壁がやってきます。

「〇〇さん、私を助けると思って、何とか考え直してもらえませんか」と、

ストレートに言われることもあります。

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確かに、借入の稟議を通すために、支店の皆さんは、

本当に時間とパワーをつかって、本部と戦ってきています。

せっかく本部と交渉して、粘りに粘って10年の借入期間を勝ち取ったのに、

2~3年で返されたらたまったもんじゃない、という銀行員の本音が聞こえてきそうです。

繰上げ返済をするときは、そういった担当者さんや支店長さんの抱える事情にも、

配慮する必要があると感じます。

せめて、3月の本決算、もしくは9月の半期決算をまたいだ後に返済する、

くらいの配慮は見せたいところです。

まとめ

繰上げ返済の注意点について、まとめてみました。

最後は、繰上げ返済をしたいというモチベーションと、減った手元資金でもこの先やっていけるか、

というバランスの問題になります。

いくら、借金をなくしたいから、と言っても、その後の資金繰りに不安があるようなら、

繰上げ返済はやってはいけません。

繰上げ返済を検討中の方は、ぜひとも慎重に進めていただきたいと思います。