新型コロナ給付金の受給額に、そのまま税金がかかってしまうので、何とかしたいと思っている方へ

お疲れ様です。

静岡の税理士、浅原です。

新型コロナの事業復活支援金の受給を受けたお客様から、

「おかげ様で売り上げが回復してきたけど、

事業復活支援金の受給額が丸々利益になり税金がかかりそうなので、

課税を回避する方法はないだろうか」

と相談を受けました。

また、日を置かずして、

同じ質問を金融機関の知り合いからも受けました。

この質問への回答を書いてみます。

なお、ここでいう「税金」や「課税」は、利益に対してかかる法人税や所得税を意味しています。

そもそも、事業復活支援金には消費税は含まれていませんので、消費税は気にする必要はありません。

事業復活支援金への丸々課税を避けたい

ざっくり計算でいくと、丸々課税を受けた場合、

4分の1~3分の1くらいが、税金として課税されます。

100万円が支給されてそれが丸々利益として残る、となれば、

25万円~33万円くらいを税金として納付することになる、というイメージです。

この納付することになりそうな税金を、少しでも減らしたい、という場合には、

次のような方法が考えられます

ガマンしてきた修繕作業や設備交換を実行

事業復活支援金の支給を受けている、ということは、その前提として、

新型コロナにより事業成績にダメージを受けており、売り上げは減少傾向にある、ということです。

資金繰りが苦しい間は、やりたい修繕や古い設備の交換も、我慢してきたことかと思います。

もし、売り上げが回復傾向にあり、事業復活支援金を運転資金として残さなくてもよい、

という判断があるならば、

いままで我慢してきた修繕や設備交換を、この機会にやっておきましょう。

修繕作業であれば、かかった費用は全額経費に計上できます。

設備交換であれば、減価償却計算を経て経費計上していくことになりますが、

中古車などの中古設備であれば、耐用年数もかなり短縮されますので、

購入価格の半額近くを経費に計上できるかもしれません。

新規事業や業態転換のための先行投資

コロナ禍を経て、いままでやってきた事業内容を見直したり、

新規事業の立ち上げや業態転換を図る事業者さんも多いと思います。

新しいことを始めようとするときには、

リサーチ費用や、それ用の設備・スペースが必要となったり、何かと出費を伴います。

それらの出費は、経費に計上できますので(設備購入は上記と同様に、減価償却計算が必要)、

利益圧縮の効果により税金を抑えることができます。

事業整理に向けての清算費用

事業内容の見直しにより、一部の商品販売やサービスを終了させたり、

部門自体を閉鎖することもあるでしょう。

事業活動は、前に進めるにしても、後ろに下がるにも、お金がかかります。

人員整理のための退職金、期間中途の契約終了による違約金、不良在庫の処分費用など、

事業整理に向けて必要となる出費も、経費に計上できます。

注意点

上記はいずれも、

「税金支払いを抑えたい」というニーズを優先したものになります。

税金は、利益に対してかかってくるため、

税金を抑えるには、利益を圧縮する必要があります。

そこで、利益を圧縮するために、経費を計上しなければならないけど、

「その経費はできるだけ有意義なものにしたい」という観点で、書いてみました。

つまり、上記方法は、必然的に出費を伴うものとなり、

「税金は抑えられるけど、事業復活支援金は手元に残らない」という結論になります。

なお、これらのほかにも、手元にお金を残せる節税もあるのですが、

その方法は、条件がそろっているかどうかが重要になります。

【超簡単】「節税」と「課税の繰り延べ」の違い。理想の節税は「身内でお金を回すだけ」

税金を払った残りを残す

上記に対して、

「事業復活支援金を手元に残す」という点を優先するなら、

税金支払いを受け入れる必要があります。

税金計算のプロセスとして「利益に対して税金をかける」となっている以上、

「税金を抑える」は「利益を抑える」と同じ意味です。

そして、利益を抑えたいならば、経費を増やすしかありません。

よって、構造的に、「税金を抑える」=「手元のお金が減る」という結論になります。

それゆえ、お寺や神社ではない普通の民間事業者さんは、

手元にお金を残したいならば、税金を支払わなくてはならないのです。

結論

  • 次の事業展開に向けて、やるべきことが決まっているなら、粛々と進めていきましょう。
  • 次の事業展開が決まっていない、もしくはまだ迷っていて結論がでない、という場合には、税金を払い、その残りとしっかり残して、運転資金の補強に努めましょう。
  • 「税金を払いたくない」という思いから選択肢を判断すると、望まない結論に達する可能性が高くなります。ご自身の本心をよく見極めましょう。

昨日の仕事

  • 葵区八千代町のお客様の月次データの確認
  • 月末購入予定の不動産の打ち合わせ

決済2週間前になって、敷地内に浄化槽が埋まっていることが発覚。担当者が慌てて連絡。それ聞いて驚愕。