半年間のセミリタイア、そして現役復帰。もうリタイアは望まない

こんにちは。

税理士の浅原です。

独立前の平成23年3月に2つの収益物件を購入して、

その半年後に3棟目の物件を購入し、早期リタイアが可能な状況になりました。

現在、リタイアはせずに、開業税理士として活動しています。

今後も、リタイアする気はありません。

久々に静岡駅前に行ってきました。書店の帰り道。

独立後に半年間リタイアしてみた

「勤め人を辞めて独立しよう。税理士として独立しながら、自分のビジネスとして賃貸業に取り組んでみよう」と,

平成21年に決意を固めて、その後税理士登録したり、物件を購入したりして、

平成24年の1月に、完全に会社を離れて独立しました。

幸い独立した段階で、家賃収入がそれなりにありましたので、

「このまま仕事しなくても家族を養っていけるな」と思って、

平成24年の上半期は、物件の管理だけをしていました。

物件の管理といっても、敷地内の清掃と、退去後の空室のリフォームの打ち合わせくらいしか

やることがないので、かつて勤め人のときの1日平均11時間労働に対して、

独立後の物件管理は「3日間で2時間労働」くらいのものでした。

全く働いていないわけでもないので、セミリタイア、といったところでしょうか。

毎朝、起きたい時間に起きて、ごはんを食べたければ食べて、

午後は、本を読んだり散歩をしたり、子どもの相手をしたり

物件を回ったりして過ごしていました。

実際に、そういう生活を半年間ほどやってみた感想としては、

「つまらん」の一言に尽きます。

リタイア生活は、つまらない。

そう断言できます。

誰からも必要とされないし、頼られることもない。

「リタイアしたよ」といえば、その瞬間だけちやほやされますが、

その話をする相手は、当然普通に働いている。

リタイアしたとはいっても、

「世間から取り残されてしまった」という感覚が日ごとに強くなっていって、

リタイアから半年後、「俺、やっぱ働くわ」となりました。

生きている実感

改めて働こうと決めてからは、活動の主軸を税理士業に定め、

賃貸業はあくまでサブという位置づけにして、税理士用の名刺を作ってあいさつ回りに奔走しました。

営業活動なんてやったことがありませんが、

今まで自分が目にしてきた営業活動をイメージして、

勤務していた会社や金融機関、付き合いのあった不動産会社、同業の税理士先生を相手に、

自分を紹介して回りました。

ネットでの税理士紹介会社も利用しました。

その結果、数件の顧客を確保できたので、顧客対応をしつつ、

税理士事務所としての体裁を徐々に整えていきました。

初めてお付き合いするお客様ばかりでしたので、

結構気を遣うことも多くて疲労もあったはずですが、

その頃のことを振り返っても、大変だったという印象はありません。

それよりも、

「また社会に復帰できてよかったな」

「リタイアなんてクソつまらなかったな」

という印象が強く残っています。

リタイア生活では、まったく感じられなかった「生きている実感」が、

税理士として活動する中では感じることができました。

適度な緊張感が、生きていくためには必要らしい

半年間のリタイア中、外部との約束事が極端に減りました。

「今日〇時に、A銀行と打ち合わせに、Z支店に行かなければならない」

「Bさんが明日〇時に来るので、それまでに説明資料をまとめておかないとならない」などの、

外部の人との約束事です。

約束事には、達成できなければ相手に迷惑をかける、

もしくは、自分が損害を被る、という側面がありますので、

多かれ少なかれ緊張が伴います。

勤め人時代には、この約束事に取り囲まれて(場合によっては無理やり約束させられて)生きてきましたので、

約束事の効用というのがわかりませんでした。

その当時は、とにかく約束事を減らしたい一心でした。

しかし、今ならはっきりわかります。

生きていくためには、緊張感が必要です。

その緊張感は、家庭から一歩出て、外部の人と交わした約束によって生み出されます。

いくら家事を頑張ったとしても(もちろん家事をちゃんとこなすのは大前提ですが)、

家事には緊張感が伴いません.

緊張感を得るためには家庭から出る必要があります。

そうして家庭から出て、外部の人たちと関わりを持ってこそ、

緊張感が生み出され、その緊張感が寝ぼけた自分を目覚めさせてくれます。

いくら早期リタイアができたとしても、

残りの人生寝ぼけたままでは、生きているとは言えません。

まとめ

私はリタイア生活を拒否しました。

半年間のリタイア中に、

「本当はリタイアなんか望んでいなかった」ということが分かりました。

その後改めて現役復帰しましたが、

リタイアの反動なのか、一時期勤め人の時よりも忙しくなってしまい、

その瞬間だけは再リタイアが頭をよぎりましたが、やはり今も働いています。

現在は、仕事と生活のバランスはどのような状態が自分にとって最適なのか、

日々試行錯誤を重ねているところです。

むかしこんなことがありました、ということで、ご参考まで。