収益物件に関する火災保険加入のポイント

お疲れ様です。

静岡の税理士、浅原です。

今月末に購入する予定の小ぶりのマンションについて、

現在、決済引き渡しに向けた準備を進めているところです。

その中で、絶対に忘れてはいけないのは、火災保険加入です。

収益物件購入時の火災保険加入について、外せないポイントを整理しておきます。

いつも火災保険加入の際は、補償内容に迷うけど、いつまでも悩んではいられない

火災保険加入の窓口は?

融資を使って物件を購入する場合には、

その融資を実行する金融機関のグループ会社である保険代理店を利用するのがお勧めです。

どの金融機関も、自社のグループの中に、保険代理店を抱えています。

融資担当者に聞けば、すぐ教えてくれます。

さらに、そのグループ内の保険代理店経由で保険に加入すると、

たいてい「融資割引き」が適用されるので、別の窓口から加入するよりも、保険料が若干割安になります。

融資を使わずに、手持ち資金で購入する場合には、

すでに取引のある保険代理店か、もしくは売買仲介会社の担当者から、

保険代理店を紹介してもらってもいいでしょう。

保険料は、保険会社と保険金、補償内容が同一であれば、

どの代理店から加入しても、同一の料金となります。

ただ、いずれの場合にも、ひとつ注意すべき点があります。

保険事故が起きて、保険金を請求するときに、

ちゃんと加入者側の立場にたって、保険会社と交渉してくれるスタッフの存在です。

そういうスタッフが、その保険代理店にいることが大事です。

おそらく、どの保険代理店でも、加入者側の立場にたって、しっかり交渉してくれるとは思います。

しかし、何度も保険請求をしてきた私から見ると、

そういうスタッフがいるかいないかで、結果が大きく変わる場面を何度も見てきました。

その意味では、広く雑多に保険加入者を集めようとしている保険代理店よりも、

ある程度顧客を絞っている金融機関のグループ会社系列の保険代理店の方が、

戦うべき時にしっかり戦ってくれるのではないか、と期待してしまいます。

保険会社は?

基本、どの保険会社でも、保険事故が起きれば、ちゃんと保険金の支払いはしてくれます。

ですので、保険会社自体にどうこう、というよりは、

「補償内容」と「それに伴う保険料」とのバランスから、決定すればよいでしょう。

保険金額の設定は?

保険金額を多めに設定すれば、万が一の火災の時に建て替え費用の心配はなくなりますが、

その分、毎年支払う保険料は高くなります。

保険金額を低めに設定すれば、その逆です。

私の場合、保険金額の設定は、

「融資金額未満、建物価格以上」の範囲内で、必要な補償条件を満たしつつ、

許容できる保険料がいくらかを自問しながら、決めるようにしています。

正解がないので最も迷う項目ですが、決めきれなければ、保険金額が高い方を選びましょう。

保険加入の目的に立ち戻れば、補償内容を厚くしておくべきだからです。

あとで、補償内容を減額することもできますので。

「水災」特約を付けるか?

建物の近くに、川や池、海などの水辺がある場合、

または傾斜地で水が溜まりやすいところに建っている場合には、加入しておいた方がいいでしょう。

浸水の可能性のない地域であれば、あえて加入する必要はないでしょう。

私の場合、明確な浸水の可能性がなければ(※)、外すようにしています。

(※)一度、大雨が続いた際に、マンション近くの川から水があふれだし、マンションの敷地5メートルくらいまで、水が迫ってきた経験があります。それまでは水災を軽く見ていましたが、立地によっては、ガチのリスクとして認識しておく必要があります。

「建物外部からの物体の落下、飛来、水濡れ、盗難」特約を付けるか?

絶対、付けます。

水濡れ被害が、いままで起きた保険事故で、もっとも回数が多いです。

「不測かつ突発的な事故」特約を付けるか?

絶対、付けます。

退去時の敷金精算の際に、

退去者さんと意見の食い違いがあり(もしくは食い違ってはいないものの、払うお金がなくて)、

請求できなかった室内の汚損箇所のリフォーム費用を、この特約でカバーしたことが何度もあります。

加入期間は?

私は、できるだけ長期で、加入するようにしています。

ここ10年程、世界的に自然災害が増加しており、日本国内でもご承知の通りです。

その結果、数年置きに保険料が増加していく傾向が、ほぼ固定しています。

長期で加入しておけば、保険料の増額改定時にも、

加入時の安い保険料で、同じ補償内容を維持できますので、

私は長期を選択するようにしています。

保険料の支払い方法は?

「10年契約でまとめて一括払い」が、最も保険料が安く済みます。

それに対し「1年ごとの契約で、毎月払い」が最も高くなります。

どちらを選んでも、補償内容には影響ありませんので、

手元の資金繰り状況を踏まえながら、負担にならない方を選べば大丈夫です。

保険金への質権設定は?

融資を付けて物件を購入する場合には、金融機関から、保険金への質権設定を要求されます。

質権設定がなされても、保険事故の際の保険金の支払いは、

ちゃんと加入者である物件オーナーの方になされますので、質権設定してもらって大丈夫です。

(実務上、この質権が発動する可能性があるのは、火災で建物が消失したときだけです)

施設賠償責任保険の加入

忘れてはならないのが、この施設賠償責任保険の加入です。

火災保険は、「建物自体が損害を受けた場合」に使う保険ですが、

施設賠償責任保険は、「建物が、他者に損害を与えた場合」に使う保険です。

私の経験にあるのは、

「上階からの水漏れにより、下階の入居者の持ち物を濡らしてしまった場合」です。

この場合、

「水漏れにより建物を傷めてしまった部分」については、火災保険が使えますが、

「下階の入居者の持ち物」は「建物」ではありませんから、火災保険は使えないため、

別の保険が必要になるわけです。

またほかにも、「エレベーターが故障して、それゆえ利用者に実害を与えてしまった場合」や、

「建物の外壁に取り付けてある看板が落下して、通行人にけがをさせた場合」なども、

施設賠償保険に加入していないと、非常にまずいことになります。

私は、すべの保有物件で、この施設賠償責任保険に加入することにしています。

昨日の仕事

  • 清水区江尻東のお客様へ月次報告
  • 購入物件についての諸々の打ち合わせ
  • 下の子に「ボット」を買ってくれとせがまれるが、何度説明を聞いても、どういうものなのかが想像できない。