心が軽くなる、リフォーム前の入居申し込み。管理会社との関係は、良好に保とう

お疲れ様です。

税理士の浅原です。

当方で保有する賃貸物件で、今月末に3件の退去があります。

今年は本当に退去が多くて、その度に、リフォーム費用や管理会社に支払う広告費などが積み重なり、

今期の収益性の低下は避けられません。

まあしかし、「退去のタイミング」というのは、私にはコントロールできないものなので、

受け入れるしかないですけど。

そんな中でもありがたいと感じるのは、

お部屋のリフォーム前に、次の入居の申し込みをいただけることです。

これは、本当にありがたいです。

今日は、私がリフォーム前に入居申し込みをいただけるように、

日頃から気を付けていることを、書いてみようと思います。

静岡県庁の建物。
年に1回、宗教法人の決算書を提出に行く以外、
用事はないです。

リフォーム前の申し込みには、リスクがある。

入居者、管理会社、そして貸主にも、

リフォーム前の申し込みには、それぞれ違ったリスクがあります。

そのことを、まずは念頭に置いておく必要があります。

入居者のリスク

入居者さんのリスクとは、

「住んでみたら、想像していたようなお部屋ではなかった」というものです。

リフォーム前の申し込みの場合は、

当然ながら、お部屋の内装の完成形を知らないまま申し込みをすることになるので、

実際に引っ越ししてみたら、期待していたポイントに満足できなかった、

という可能性があります。

住んでみたら、外の音がけっこううるさいとか、隣に変な人が住んでいる、などの環境面の要素は、

実際に住んでみないとわからないので、内装リフォームとは関係ありませんが、

お部屋の内装の仕上がり具合や、設備の新旧などは、

リフォーム後の状態を見ておけば、リスク回避できます。

そういうリスクを乗り越えて、

入居者さんは、リフォーム前に申し込みをしてくれることがあります。

管理会社のリスク

管理会社のリスクとは、

「入居者から、入居後に、内装や設備についてクレームをつけられるかもしれない」

というものです。

前述の入居者のリスクの延長上にあるもので、一言でいえば「板挟みリスク」です。

貸主か入居者のどちらかが、柔軟な人であれば、

どちらかに泣いてもらうことで、着地することができますが、

どちらも強硬な性格の人だと、完全に板挟みになってしまいます。

その板挟みリスクを承知の上で、

管理会社は、リフォーム前のお部屋を紹介して、申し込みをとってきてくれます。

貸主のリスク

貸主のリスクとは、

「入居日までに、リフォームが終わらないかもしれない」というものです。

もうこれは、理屈ではなく、なにがあろうとやりきらなければなりません。

私自身は、いままで何度か、工事の遅れによりヒヤヒヤするような場面に出くわしたことがありますが、

幸い、入居日までにリフォームが間に合わなかった、という経験はありません。

このリスクを完全に回避するには、

リフォーム前の申し込みを受け付けない、というふうにするしかありませんが、

そんなもったいないことはできません。

そこで、このリスクと折り合いをつけるためには、

常に貸主側の立場に立って全力を尽くしてくれる、信頼のおける内装工事の業者さん

が、不可欠です。

県庁前の並木道。
どのエリアでも、並木道を歩くのは楽しいです。

リフォーム前の申し込みに向けた取り組み

これらのリスクを踏まえたうえで、私が意識していることは、次の通りです。

物件の競争力を高める

入居者は、常にメリットとデメリットを天秤にかけて、判断しています。

「リフォーム前だから、お部屋の仕上がりの様子がわからない」、というデメリットに対して、

「今、申し込みをすれば、このお部屋を確保できる」というメリットを比較し、

どう判断すべきか考えています。

そんな時、入居者の背中を押すために、

貸主側は、

「次に、この物件に問い合わせをしたときには、もう無くなっているかもしれない」

と思えるような、高い競争力を備えておかなくてはなりません。

具体的には、ペット飼育可、ネット通信無料、相場より安い家賃、など、

それを求めている人には訴求効果の高いものです。

逆に、これらの競争力のないような物件だと、無数にある空室情報に紛れてしまい、

リフォームの前後にかかわらず、申し込みを得るのは難しくなります。

そのため、「この物件は、どのようなポイントで勝負をしていくのか」、

ということを、常に意識しておくことが重要です。

リフォームでケチらない

リフォーム前に入居申し込みが入ると、

そのお部屋は、厳しい入居者獲得競争から抜け出たことになりますので、

貸主は、気が緩みます。

そして、実際にリフォーム作業に入ると、

リフォームを頑張ろうが頑張るまいが、入居日以降は家賃が発生することになっていますので、

目先の出費を減らすために、リフォーム箇所を削って、

ケチケチリフォームに走りがちです。

そうなる貸主の気持ちはよくわかるのですが、

ここは、通常のリフォーム以上にしっかりやっておくことをお勧めします。

壁紙やクッションフロアのちょっとした傷や、古くなった網戸、古くて変色した浴室のシャワーホースなど、

そのまま「残し」でも大丈夫かな、と思えるようなときでも、

私は積極的に交換するようにしています。

リフォーム作業に甘さや見落としがあり、入居者から管理会社にクレームが行ってしまうと、

管理会社としては、

「やっぱりあの貸主の物件は、リフォーム後に案内してからでないと、危ないな」

と思われてしまいます。

そう思われた結果、リフォーム前には紹介してもらえないような物件になるよりは、

少しお金がかさんでも、常に完璧なリフォームを目指すことの方が、

貸主にもメリットが大きいといえます。

「柔軟かつ迅速な貸主」を演出

管理会社にとって、入居者からのクレームは日常茶飯事なので、

それ自体がどうこうということはないのですが、

やはり管理会社も、人の集まりである以上は、

クレームが多い物件は遠ざけて、クレームの少ない物件をよく扱うようになります。

もっとも、クレームの少ない物件とは言っても、なかなかにクレームゼロというのは難しく、

私が保有する物件でも、少ない時は2~3か月に1回、多ければ月に2回ほど、

クレームが入ることがあります。

保有物件にクレームが入ったとき、

多くの貸主は、メンドくさいと感じると思いますけど、

見方を変えれば、管理会社へのアピールチャンスでもあります。

クレームの内容にこだわって、ごちゃごちゃと対応を長引かせるのではなく、

「あの貸主は、クレームに対して、メンドくさがらず迅速に対応してくれる」

と管理会社に認識してもらえば、

入居者のご紹介もしてもらいやすくなります。

「柔軟かつ迅速な対応のできる貸主」。

そう管理会社に認識してもらうことが、

リフォーム前のご紹介にとって、とても重要になります。

法務局の前のお城。
法務局にはよく来ますけど、こんなお城、あったっけ?
全然気づかなかったです。

まとめ

リフォーム前に入居申し込みをいただくためのコツ、についてまとめてみました。

物件には、競争力を持たせておく必要がある。

しかし、その物件も、管理会社がプッシュしてくれなければ、申し込みにはつながらない。

そういう点で、やはりベースになるのは、管理会社との信頼関係だと思います。

また、こうした考え方や、関係者とのやりとりは、税理士をしていくうえでも、とてもよい経験になります。

残りの空室は、あと2件。

満室目指して頑張ります。