お疲れ様です。
静岡の税理士、浅原です。
今年、法人成りをしたお客様の会計データを確認しているときに、
「出資金100,000円」という支出を見たので、何かなと思って確認したら、
借り入れを起こした信用金庫への出資金でした。
あれあれ、と思いましたが、社長にいきさつを聞くと、
中年男性特有の事情がありました。
「寝かすお金はミニマムで」を信条としている私が感じたことを、書いてみます。
信金スタッフの笑顔
借入にあたり、たまたまこの社長の取引支店と、
私が懇意にしている信用金庫の支店が、同じ支店でしたので、
社長がやるべき事務的なやりとりは、ある程度私の方でお膳立てをしておきました。
その際に、担当してくれた信金側のスタッフさんが、
昨年からこちらの支店に配属になったTさんという若い女性スタッフでした。※
※配属の際も、うちの事務所にご挨拶に来てくれました。勤続3年目の若手スタッフで、穏やかな感じの方でしたので、私も好感を持ちました。雑談の中で、「私(浅原)、紫微斗数という占いをするのが趣味だけど、良かったTさんの鑑定をしてみましょうか」と尋ねたら、「占いには、興味も、なくなはない」と言って、生年月日時を教えてくれたので、鑑定してみました。結果として、異性にモテる象意がでていたので、「周りの男性がTさんを放って置かないかもしれませんけど、ちょっかい出されても、本命だけに絞っておくのがいいですよ」とお伝えしました。そして、今回のフニャフニャした社長を見ていて、さもありなん、と感じました。
Tさんとお膳立てをしたプランで、「あとは社長から書類と印鑑をもらうだけ」という状況まで整えて、
その後はTさんと社長との2人で、直接やり取りを進めてもらうことにしました。
その後、しばらくして、会計データ上に突如「10万円の出資金」が現れました。
この10万円の出資金について、社長曰く、
「Tさんから出資金を頼まれたもんで、『いくら出せばいい?』と聞いたら、Tさんは『だいたい皆さん、20万円くらいです※』と言うもんで、その時もっていたお金をかき集めたら10万円あったから、そのまま置いてきた」とのこと。
※ほんまかいな
私、「社長、?00万円借りるのに、10万円の出資出してたら、手もとに残るお金、さらに減っちゃいますよ。冷静にお金の計算をしないと。」
社長、「そうなんだけどね、せんせー。でもねー、Tさんの笑顔を見ていると、お金払いたくなっちゃうんだよー」
浅原、「・・・まあ確かにわかります、それは。」
中年男性にとって、女性の笑顔というのは、
恵みの雨というか、心のマッサージというか、魂の潤滑油というか、
とにかく大変ありがたいものです。
お金を払ってでも笑顔が見たい、という社長の気持ちは、
同じ中年男性の私にもよくわかるので、
まあしょうがないな、と思いました。
しかし、恐るべきは、経営者に冷静な思考を忘れさせ、
決して潤沢ではない手元資金から、サラッと10万円を払わせてしまうTさんの接客です。
万が一、社長がその時、手持ちで30万円持っていたら、
きっと「俺なら30出せるぜ」とか言って、ピピっと払ってしまったでしょう。
げに恐ろしや、と感じました。
寝かすお金はミニマムで
払いすぎた出資金はどうするか、というと、
単純に返還を求めるだけです。
出資金は、いわば信金さんへの預け金、のようなものなので、
返して、と言えば返してもらうことができます。
融資残高が無くなれば、全額返金できますし、
融資残高が残っていても、出資金は1万円だけ残しておけば、事足ります。
今回の社長も、本当に手元資金が苦しくなってきたら、
出資金を返還してもらうようお話するつもりです。※
※しかし、出資金返還の話をTさんにすれば、きっと、悲しい顔をするでしょう。Tさんを悲しませるようなことはしたくない、と、社長は出資金返還を拒むかもしれません。そういう場面がありありと目に浮かぶ。
そもそも、信金さんへの出資金ですが、
出資にあたり最低ラインの金額は、特に決まっていません。
そして、出資は、基本的に出したら出しっぱなしの「寝かすお金」なので、
運転資金に余裕があるならともかく、
そうでないなら、額は少なめに抑えておいた方がよいでしょう。
私に関していうと、
かつて、1億4千万を借りた時には、出資金は3万円にしておきましたし、
直近で4,300万円借りたときも、出資金は1万円しか入れていません。
ほかにも、寝かすお金は、ところでころで出てきます。
賃貸テナントを借りる際の「敷金」の差し入れ
メーカーや卸業者さんと取引を始める際の「取引保証金」の差し入れ
また、手形や電子信託などでも、回収期間が長期に及ぶものは、
長期になるほど「寝かすお金」の色合いが濃くなっていきます。
これらの寝かすお金に関しては、常に意識を配り、
できるだけ「額は少なく、期間も短く」していく努力が欠かせません。
昨日の仕事
- 税務署への届出書類を、まとめて作成
- 信用金庫スタッフとの面談
私自身の借り入れの相談をしていたところ、金利1%未満で提案をいただくことができた。
事業性資金で金利1%切るのは、今回が初めてなので、少しうれしい。
- 夜に空手
現在、昇級審査期間中。
指定された形を間違えてしまった子どもが、悔しくて泣いていた。
泣くからといって、決して弱々しいわけではない。
そんな素直な子どもを見ていると、亡きアンディの言葉がよみがえってくる。