クラウド会計の良さがわからない(今はまだ・・・)

お疲れ様です。

静岡の税理士、浅原です。

近年、会計ソフトの分野では、クラウド会計ソフトが台頭してきており、

代表格である「freee」や「マネーフォークラウド」の文字を目にする機会が増えてきました。

税理士の中には、クラウド会計ソフトを専門で扱う方もいらっしゃいます。

ただ、私は、ネット環境が当たり前となり、

クラウドサービスも一般的になった現在においても、

いまだこれらのクラウド会計ソフトに触れたことがありません。

決して、拒んでいるわけではなく、

お客様からの要望があれば取り入れるでしょうし、

ほかのクラウドサービスは、私もバンバン使っているのですけど。(ネットバンクや、このブログを保存しているネットサーバーなど)

私が、クラウド会計を積極的に導入しない理由を書いてみます。

よくお参りにいく神社の隣にある公園の砂場の看板。
改めて読むと、よくわからない表現。
(言いたいことは伝わるので、問題はないけど)

田舎ではネット環境にない状態が多い

クラウド会計ソフトは、その名の通り、

ネットを介してクラウドソフトにつながって、初めてサービスを受けることができます。

よって、会計データは、すべてネット上のサーバーに保管されているわけでして、

データを見たいとなれば、必ずネットに接続しなければなりません。

しかし、静岡のような田舎では、

ネットにつなげられない(お願いしづらい)という場面が、多々あります。

私の場合、

ノートパソコンを持って外出するようになってから、1年強といったところですが、

次のような場面では、ネット接続ができずにいます。

  • お客様の事務所での打ち合わせ
  • 銀行での打ち合わせ
  • 待機中の車の中

お客様の事務所でいちいち

「ちょっとネットつながせてもらっていいでしょうか」というのはパッとしませんし、

銀行でそんなことお願いしても、まず断られるでしょう。

デザリングという手段もあるのですが、やってみたものの、

どうも場所によって接続が安定しないようでして。

結果、いざというときに接続できるかどうか不安なので、デザリングは使っていません。

でも、インストール型であれば、持ち運びするパソコン自体にデータが入っていますので、

いつでも見たい時に、データを見ることができます。

特に田舎では、外出時は、ほぼ車での移動なので、

車内で「お客様の事務所につく前に、ちょっと見ておきたい」ということが多いです。

結論として、このような場面で会計データをチェックするには、

弥生会計などのインストール型のほうが便利です。

データの共有はクラウドでなくてもできる

クラウドの利点として、

「お客様が入力した会計データに対して、クラウド上で、税理士やその他の人もそのデータにアクセスして、内容確認やデータ修正ができる」、

ということがあります。

まあ、それはそれで便利なのだろうと思います。

ただ、インストール型でも、

会計データをエクスポートして(取り出して)、ファイルデータをお互いにやりとりすれば、

データの共有・修正は、問題なくできます。

お互いのやり取り、というひと手間はあるものの、

大した手間ではなく、許容の範囲内です。

データの自動取り込みは、どちらでもできる

クラウド会計の大きな利点のひとつとして、

銀行の入出金データや、クレジットカードの利用データを、自動的にソフトに取り込むことができる、

というものがあります。

非常に便利な機能で、キーボードで文字入力していくことに比べて、各段に処理が速くなります。

ただ、この機能は、インストール型のソフトにもあります。

弥生会計では、入出金データをエクセル上で少し加工してCSVデータに置き換えれば、

そのまま弥生会計のデータ内に取り込むことができます。

私も、昨年からこの機能を使い始めましたが、とても便利です。

また、自動取り込みできる、といっても、複合仕訳として取り込むことはできません。

複合仕訳とは、一つの入金(もしくは出金)データについて、

複数の内訳に分類する必要のある仕訳データのことです。

代表的なものは、給与仕訳です。(支給額からの控除項目がたくさんありますから)

この複合仕訳は、クラウド会計でもインストール型でも、

どちらもキーボードによる文字入力が必要になりますので、

この点でも両者に差はありません。

理解していない仕組みの中に、大事なものを入れられない

クラウドをはじめとするIT関連については、

私が育った年代ゆえか、単なる自分の性格なのかわかりませんが、

いまだに絶対的な信用はできずにいます。

ネットバンクには、必要最小限のお金しか置いていませんし。

私は、クラウドサービス全般について、テレビのようなものだと思って利用しています。

テレビは、スイッチを入れれば、画像が出ます。

いろいろなチャンネルから、いろいろな情報を入手出来て、とても便利です。

でも、なんでスイッチを入れれば、画像が出るのか、私は理解していません。

撮影機材で撮った画像が、どうやって自宅のテレビまで送られてくるのか、

正確に説明しろと言われても、無理です。(かつて、テレビ局に勤務していたにも関わらず)

だからと言って、こんなに便利なテレビを使わないのは損なので、

よく理解しないまま使っています。

クラウドサービスも、

便利なのはわかっていて、使わないのは損だから、

正しい仕組みや内包している危険性など、よく理解しないまま使っています。

しかし、理解できていない仕組みの中に、「大事なもの」を入れておくのは、

私は怖いです。

お客様から、

「うちの会計データはどこに保管されているの?」と聞かれても、

「クラウドサービスの会社のサーバーの中です」

「そのサーバーってどこにあるの?」

「ネット上のどこかに・・・、いや日本国内のどこかに・・・、いや海外かも・・・」

「それって安全なの?」

「セキュリティはちゃんとしていると思うのですが・・・たぶん・・・」

まあ、そこまで追求するお客様もいないだろうと、とは思うのですが、

私の性格上、説明に窮してしまうものって、なかなか受け入れらないですね。

インストール型ならば、

「うちの事務所のパソコンに保管しています」

「パソコンが急にぶっ壊れると困るので、常時、外部ストレージにバックアップ取っています」

「火災や地震などで、事務所自体がぶっ壊れても困るので、データを入れた外部ストレージは、自宅に持ち帰るようにしています」

と、明確に説明できます。

スモールビジネスならば、インストール型ソフトで十分

「会計データを入力する人は、決まった担当者が一人」、

加えて「会計データを直に見たい人は、最大で、担当者と社長と税理士の三人くらい」、

というスタイルならば、私はインストール型で十分だと思います。

お客様と税理士の地理的な距離が離れていたとしても、前述したように、

データファイルをメール添付でやり取りすれば、データ共有はできますし。

ソフトの利用料金も、マネーフォークラウドと弥生会計では、ほとんど変わりません。

両社とも、継続的な利用料の支払いは発生しますが、若干ですけど、弥生会計のほうが、安いです。

以上の点から、私がスモールビジネスを立ち上げたオーナーで、

会計ソフトをどれにするか決めなければならないときは、

迷ったらインストール型の弥生会計にするでしょう。

(迷ってはいないなら、自分が選びたいものを選べばオッケーです)

昨日の仕事

  • 宗教法人の決算作業

あらかた、数字は固められた。

収益部門と宗教部門相互の資金移動、部門ごとの計算書と部門合算での計算書と、

いつもながら、脳内での情報整理がしんどい。

よくお参りにいく神社の隣にある公園の池。
花しょうぶが見ごろです。