こんにちは、税理士の浅原です。
先週のブログでキャッシュフローについて触れましたが、せっかくですので、もう少し掘り下げてみたいと思います。
まあ、掘り下げるといっても、専門的になりすぎて、何の計算をしているのかわからなくなってしまっては元も子もないので、実践で使えるレベルで、簡単にまとめてみましょう。
なお、キャッシュフロー計算書は、上場企業においては必須の決算書類になりますが、中小企業や個人事業においては、特に提出を求められてはいません。
ですので、中小個人事業においては、参考資料という位置づけになります。
したがって、上場企業が作成するような、一定の会計ルールに従って作成する教科書どおりのものではなくて、簡単にちゃっちゃと作れるものにしましょう。
資料作成に時間かけても、誰もほめてくれませんから。
まず、キャッシュフローを把握するために、収入の内訳と支出の内訳をそれぞれ把握する必要がありましたね。
逆に言えば、内訳が把握できてしまえば、ほぼ完了です。
ではその内訳の分類の仕方ですが、収入も支出も、3つの内訳項目のどれに当てはまるかで、分類していきます。
3つの内訳項目とは、「① 銀行借入に関するもの」と「② その月限りの臨時のもの」と「③ ①②以外のもの」です。 順に見ていきましょう。
「① 銀行借入に関するもの」は、文字通り、銀行から借入をした、とか、借入の元本返済をした、とか、借入利息を支払った、というものです。
借入をすれば、その時はお金が入ってきますので、キャッシュフローはプラスになります。
借入金の元本返済や利息の支払いをすれば、お金が出ていきますので、キャッシュフローはマイナスになります。
保証協会付きでお金を借りれば、保証料を支払うことになりますね。
保証料の支払いは、キャッシュフローのマイナス項目になりますね。
これらの収入と支出を集計していけば、「今月の銀行関係のキャッシュフローは、キャッシュインがいくら、キャッシュアウトがいくら、差し引きで、キャッシュフローマイナスがいくら」と算出できます。
最初の内訳分類は、これで完了です。
続いて、「② その月限りの臨時のもの」です。
これも、文字通りで、毎月出てくるわけではない一時的な入金や出金を集計します。
たとえば、最近でいうと、新型コロナの持続化給付金の入金は、これにあたりますね。
ほかには、保険事故が発生した場合の保険金収入も、これにあたります。
支出でいうと、同じように事故が起きたときの賠償金の一括払いは、これですね。
あとは、決算申告の後の年に一度の税金支払いもこれにあたるでしょうし、設備や車両を購入して、まとまって大きな出費があったというときも、これにあたります。
これらを集計すると、「今月の一時的な臨時キャッシュインはいくら、臨時のキャッシュアウトはいくら、差し引きで臨時キャッシュはいくらのプラスでした」となります。
さて、一度にいっぱい書くのは大変ですから、今日はこれくらいにしましょう。
また明日、続きをブログで紹介します。
今日の業務は、「新聞販売店さんへ月次決算の報告」「お寺さんへ月次決算の報告」「ブティックさんへ月次決算の報告」「所得税申告の下準備」でした。