こんにちは、税理士の浅原です。
先ほど、愛知県に住む私の友人から電話があり、勤め先で経理関係の仕事をすることになったので、どんな感じで取り組めばいいか教えてほしい、とのこと。
その人は、以前、私と同じ時期にNHK津放送局で働いていたことがあって、私が公開放送の現場担当をしていたときに、彼はニュースグループのメンバーとして働いていました。
公開放送担当とニュース担当では、まったく接点がないのですが、年が近くて、お互いにどことなく、生まれついての少数派という雰囲気を醸し出していたので、何となく仲良くなって、退社後も連絡を取り合っていました。
彼は、今の会社では、人事労務関係の仕事をしていたのですが、経理サイドの方でちょっと何かあったらしく、彼が経理サイドの仕事も見ることになったらしいです。
とりあえずその彼は、経理は全くの素人で、経理スタッフが作った資料を受け取って、分析、評価をしたのち、上司に報告する、という役目を負うようです。
さて、経理に触れるのは初めての人やまったくの部外者が、PL(損益計算書)やBS(貸借対照表)などから何を読み取ればいいのか。
経理資料からはいろいろな情報が読み取れますが、突き詰めれば、「収入と支出の内訳を把握して、運転資金が足りているかどうかを判断すればいい」ということになります。
経営者が、まず知りたいのは、「今月の運転資金は足りているのかどうか」です。
次に知りたいのは、「来月の運転資金は足りそうかどうか」です。
次に知りたいのは、「その次の月の運転資金は足りそうかどうか」です。
要するに、当面の運転資金の見通しを知りたいわけです。
それが大丈夫だとわかって、初めて経営戦略の話に入れます。
当面の運転資金もおぼつかないのなら、商品企画や営業戦略など、いくら考えたところで身が入りません。
ですので、まずは「当面の運転資金の見通しを立てる」という意識を持つのがいいです。
超簡単にいきますよ。
先月の1か月分の支出額は、全部でいくらでしたか。
そして、今手もとにある現金預金は、いくらになりますか。
仮に、今月、1円も入金がなかったとして、支出は毎月と同じようにあったとすると、今の手元資金で今月の支払いは乗り切れますか。
はい、これで今月の見通しは立っちゃいましたね。
さらに、先ほどの計算に、今月入ってくるであろう入金額をプラスすれば、今月末の手元資金の残高が予測できます。
このような計算方法で、3か月くらい先まで見通しを立ててあげれば社長も安心、じゃあ経営会議にはいろうか、となるでしょう。
「収入の内訳と支出の内訳を把握する」、というのも論理は単純です。
一か月間に発生した現金預金の入金出金について、ほぼ確実に、経理部門では会計ソフトへの入力を行いますので、その入出金データを抽出して、エクセルなどの表計算ソフトのデータに変換します。
変換したデータを、入金データと出金データに分けて、それぞれ、どこからの入金だったか、どこに出金したものか、と入金先ごと、出金先ごとに集計していけば、あっという間に内訳データの出来上がりです。
この内訳把握のいいところは、「ほぼ確実に入金が見込めるところ」と、「入金するかどうかが怪しいところ」(出金も同様)の分別がつくようになるので、より資金繰りの見通しの制度を高めることができます。
このように、赤字か黒字かを重要視するのではなく(これはこれで重要ですが)、お金の流れをより重視して進めていく経営を、キャッシュフロー経営といいます。
黒字倒産という悲しい事態は何としても避けたいので、私は常にキャッシュフローから数字を見るようにしています。
何事も、全体像を把握しないと気が済まない、という私のような性格の人間には、経理は向いていると言えます。
愛知の彼も、私と似たところがあるので、ぜひ頑張ってもらいたいです。
たまたま今月は、古い友人たちと連絡をとる機会が多くて、懐かしいなーと思っていたら、前に社内税理士をしていた時の同僚が、突如事務所に来てくれました。
話を聞くと、「現在、ウォーターサーバーの営業をやっているのだけど、ノルマがきつくてしんどい」とのこと。
さもありなんと思いつつ、話を聞いていましたが、無料のお試しでいいので置かせてくれ、ということで、置いて行かれました。
浅原なら話をきいてくれるかも、と思ってきたのなら、無碍に断るのも申し訳ないし、一緒に働いていた時は結構助けてもらったし。困ったときはお互い様ですな。
今日の業務は、「新聞配達店さんの月次データの入力」「修理部材と衛生用品の買い出し」でした。