お疲れ様です。
税理士の浅原です。
夏のこの時期、毎年そうなのですが、ソワソワとした落ち着かない気分が続きます。
何でかなー (‘Д’) と考えていたのですが、ようやく気が付きました。
「そういえば、税理士試験て、いつもこの時期だったな」
私が税理士試験に、最終的に合格できたのが24歳の時なので、ちょうど20年前になります。
税理士の受験勉強からは20年も経っているのに、いまだに心の中には、
当時の緊張感が残っているみたいで、ちょっと驚きました。
受験生をしていた当時、私は三重県津市に住んでいました。
住んでいたアパートから、当時勤めていたNHKまで、毎日、車で片道15分くらいかけて通勤していました。
仕事内容が、放送現場に関係する業務だったので、突発的な事件や災害が起きると残業が続いたり、
自分が担当する番組の収録日が近づくと、収録会場の近くに宿をとって連泊したりして、
それなりにやりがいを感じてやっていました。
そんな仕事をしながら、税理士の受験勉強をしていたので、安定的に勉強時間を確保することが難しかったです。
移動時間の短縮や安定的な勉強スペースの確保、という点から、試行錯誤の結果、仕事が終わったあと、
放送局の中にある社員食堂を借りて勉強をする、というスタイルに落ち着きました。
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仕事が終わるのが、通常だと19時頃です。
そこからまず、お弁当を買いに行って、戻ってきて食べて、食べ終わったら20時です。
24時には帰りたいけど、せめて過去問2年分はこなしたい。
そんなわけで、お弁当を食べながら問題の準備をして、食べ終わると同時に解答スタート (-_-)/~~、
という感じです。
日中の仕事ですでに疲れていますので、問題を解きながら眠ってしまい (-_-)zzz 、
気付くと1時間経過していた (>_<) 、というようなことが、よくありました。
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休みの日も、もちろん勉強していました。
税理士試験には、計算問題と税法理論の記述問題がありますが、
休みの日はもっぱら、記述問題の対策をしていました。
具体的には、住んでいたアパートの近くに、福祉センターの大きなグラウンドがあって、
日中そこに出かけて行っては、グランド周辺を歩きながら、理論問題を暗記していました。
興味のない無機質な税法理論を何時間もかけて丸暗記する、という今思えば二度とやりたくない作業を、
それでもやりきらないとならないので、何かをしながらでないと、とても集中力が持ちません。
バイオハザードのゾンビさんのように、うつろな目をして、本を抱えてぶつぶつ言いながら、
福祉センターのグラウンドをさまよい歩きます。 (@_@;)
一般道と違って、グラウンドの中には車や自転車がいないので、事故につながる危険性はありません。
たまに、子どもの野球チームが、グランドで対戦をしていて、打ったり投げたりにぎやかにやっているのが、
とてもまぶしく感じたことを覚えています。
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税理士試験の受験勉強は、いままでの人生の中でも、かなり過酷なものでした。
一番つらかったのが、「合格するまで、この勉強から逃げられない」という恐怖感です。
せっかくいい会社に就職できたのだから、税理士を諦めて、企業人として生きていくのも
悪くはないと思うのですが、当時、そういう発想にはなれませんでした。
それまで、嫌なことからは逃げたり避けたりすることが多い人間でしたから、
「税理士試験からも逃げてしまったら、この先一生、つらいことからは逃げ続ける人生になってしまう」
という予感があったのかもしれません。
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最後の年は、本当に頑張ったと思います。
その年の年末、最終合格の通知を受け取った時には、嬉しさではなく、
ようやくこれで、福祉センターに行かなくて済む、という安堵感の方が、はるかに大きかったです。
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私は、たまたま運よく、税理士試験から卒業することができましたが、不合格が続いて途中で諦める、
もしくは、諦めないものの本腰が入らない状態で、だらだらと勉強を続ける、
となってしまう可能性もありました。
ですので、途中で試験を諦めた人や、なかなか合格できない人に対して、
努力が足りない、などと非難するつもりはまったくありません。
ただ、振り返って一つ言えるのは、「受験期間は、少なければ少ないほどいい」ということです。
やるならば短期間で一気に集中した方が、諦めるなら早く諦めた方が、人生の残り時間を有効に使えます。
時間は減っていく。
これだけは確実です。
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来年も、夏になるとソワソワするでしょうけど、「古傷が痛む」の一種ととらえておこうと思います。