お疲れ様です。
税理士の浅原です。
先日、税理士業のお客様から、「お仕事が楽しそうでいいですね」と言われました。
私は、正直なところ、税理士の仕事を楽しいと感じることがあまりないので、
思わず「意外だぜ」という表情をしてしまいました。
私から、お客様や関係者に、「楽しくないと、長続きしませんよね」と言ったりすることはよくあるのですが、
本心では「仕事を楽しむ」という感覚が、よくわかっていません。
そこで、日頃、私自身が税理士の仕事をどう感じているか、書いてみます。
目次
パソコン作業中は、水の中にいる感じ
事務所で行う会計データの確認・入力、決算書申告書の作成などは、たいていパソコンで作成します。
ゆえに、事務所にいる時間の多くは、パソコンに向かっています。
パソコン作業というのは、一種独特な作業で、画面上の記号や情報を操作して、
完成品に仕上げる作業になります。
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私はパソコン作業中、ふと気づくと、「非常にゆっくり息をしている」ということが多いです。
なぜかはわからないのですが、息を引き取る直前くらいのスローな呼吸になっていて、
意識して呼吸をしないと、呼吸が止まってしまいそうになります。(呼吸が止まってしまったことは
ありませんが、呼吸を止めてしまいたくなるような失敗は、数回あります)
そのわりに、意識ははっきりしているので、その時の感覚は
「水中にいる」、という表現がぴったりきます。
もっと言うと、「水中で、息を止めて設計図を描いている」という感覚です。(あくまで例え話です)
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これらの作業は、決して楽しいとは感じません。
しかし、振り返ると、「資料が足りない」とか「資料に何て書いてあるかわからない」などで、
いちいち作業が止まるときには、この水中感覚は途切れてしまいます。
水中感覚は、その渦中にいるときは非常に苦しいですが、作業が順調に進んでいるときにだけ
感じられる感覚なので、悪い感覚ではないのかもしれません。
作業が終わって、水面にあがってきたときは、自然に「はぁ~~~~」という長い息がでてきます。
作業中の電話は、水面から顔を出して話をしている感じ
事務所でパソコン作業をしているときに、お客様から電話がかかってくることがあります。
私は、電話の使用をできるだけ減らしていきたいと考えている人間ですが、
もちろんかかってきた電話にはちゃんと出ます。
そして、パソコン作業中に電話に出るときは、まさしく「水面から顔だけ出して電話をしている」
という感覚になります。
水中にいたら、お客様と会話できないので(あくまで例え話です)、水面まで上がってきて、
水から顔を出さなければなりません。
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「この水面まで上がってくる」というのが、個人的には一苦労です。
例えるなら、「水中で設計図を描いていたら、陸からの電話が聞こえたので、
いったん設計の手をとめて、水面に上がってきて電話をとる」という感じです。
どうしても、パッと電話に出る、ということができません。
それゆえ、電話が終わった後は、ややぐったりします。
加えて、水面に上がってきた時でないと休憩がとれないので、私の場合は、だいたい電話と休憩はセットになります。
調べごとや経営判断は、さらに底深く潜る感じ
既存の知識や経験だけでは対応できない相談や、重要なテーマについて、
やるかやらないか決めなければならない、というときは、今までいた水中の深さから、
さらに底深く潜っていくような感じになります。
もうこうなると、電話やチャイムの音は、聞こえません。
参考資料や書籍を抱えて、水底でじっとしながら、思考だけを働かせているような感覚です。
そして、情報の整理が終わり、覚悟が決まると、水面に浮いてきます。(しつこいですが例え話です)
しかし、実際には、長考になることが多いです。
そういうときは、水底で息が続かなくなって、何度も「浮かんでは潜って」を繰り返すので、
終わった後は、本当にフラフラでぐったりします。
たぶん、この作業が一番苦しいです。
お客様訪問は、ずぶ濡れで陸の上にあがってきた感じ
ようやく、こちらの作業が完了して、お客様に報告できる、という段階になりましたら、
資料をまとめてアポを取って、お客様を訪問します。
この訪問時の感覚としては、水から上がった直後のずぶ濡れ状態で、
「こんにちはー、いつもお世話になりますーー。」とあいさつしている感じです。(例え話です)
ただ、ずぶ濡れ状態でお伺いした時の方が、より細かい記憶も確かで、お客様との会話もかみ合います。
それに対して、水から上がってしばらく経って、服も髪の毛も乾いてからお客様を訪問すると、
まれに私の中の記憶が混乱していて、話がかみ合わない、というときがあります。
ですので、仕事完成から訪問するまでに時間が経ってしまった場合には、お客様を訪問する前に、
もう一度水に浸かってひと泳ぎしてから、お伺いするようにしています。(例え話です)
まとめ
やはり、仕事を楽しむ、というのは、いまもよくわかりません。
それでも、この税理士という仕事は、私の性に合っているのだろう、と思います。
ひとつひとつの作業が終わった後の充実感は、ほかでは味わうことができない、と感じています。
「長いこと水中に留まれない」とか、「もう水に入りたくない」と感じるようになるまでは、
税理士を頑張ろうと思います。(例え話です)