仕事の受注を制限した理由

お疲れ様です。

静岡の税理士、浅原です。

今年も、所得税申告のシーズンが終わりました。

現在、一息つきながら、

お客様にお返しする資料の整理を進めているところです。

新型コロナの影響や、申告期限直前でのイータックスのシステム障害など、

今回も場外乱闘のようなものがチラホラとありましたが、

お客様のご協力のおかげで、

今年も、無事、泳ぎ切ることができました。

今回の申告シーズンでは、忙しくなってくる前に、

ホームページ上で、

個人事業主様の税務顧問業務の受付を、制限させていただきました。

このブログサイトのタイトルにもあるように、

私の会計事務所は、私ひとりでやっている規模の小さい事務所です。

そんな、マンパワーには頼れない事務所だからこそ、

不十分な仕上がりでお客様にご迷惑をお掛けすることのないよう、

無理のない受注をしていかなくてはならないと感じています。

受注を制限する怖さ

まだ、いまの収入だけで、食べていくことのできない状態だとしたら、

そもそも、受注の制限、という問題は出てきません。

ですので、あくまでこの問題は、

現状、この仕事の収入だけで食べていけている、ということが前提になります。

それにしても、仕事の受注を制限するのは、

やはり「怖さ」が付きまといます。

いわゆる「機会損失」というものです。

今回、HP上で受注を制限するにあたり、

「せっかく、お客様から依頼をいただくために、HPを作っているのに・・・」

という忸怩たる思いも、少しありました。

しかし、機会損失以上に怖いのが、

忙しさゆえに「しっかりお客様に向き合えない状態」です。

かつて、税理士の仕事が忙しすぎたとき、

時間的にも精神的にも余裕がなくて、お客様に向き合えない、

という事態を経験しました。

目先の仕事をこなすことしか頭になくて、

お客様の近況やご要望を聞き取ることも忘れて、

目の前にいるお客様や仕事は、ただただ「捌くだけの対象」、

となってしまったことがありました。

当時のお客様からしたら、

味気ない税理士にしか見えなかったと思います。

そして、「お客様に向き合えない状態」以上に怖いのが、

「すべてが嫌になってしまう状態」です。

これも、かつて経験しています。

トラブルというものは、困ったもので、

こちらの事情や状況を踏まえてくれることは、ありません。

(トラブリューが、ロードという曲の中で「何でもないようなことが幸せだったと思う」と歌っていたことを思い出します)

「極度の忙しさ」の上に、

「複数のトラブル」や「長期の孤軍奮闘状態」が加算されると、

もう、仕事自体が嫌になってしまいます。

スモールビジネスのオーナーには、

つらいときに、自分を引っ張っていってくれる人が、基本的にいません。

それゆえ、「すべてが嫌になってしまう状態」は、

スモールビジネスでこそ、絶対に避けなければならない事態です。

(実は現在、お客様の中で、この状態になってしまっている社長がいらっしゃいます。社長のお気持ちが、私にはとてもよくわかるので、しばらくの間、集中的にサポートしていきます)

仕事を通じて、何を得たいのか

独立開業した直後は、

まず「食べていくこと」が目標になります。

目標というよりは、「最低条件」でしょうか。

最低条件をクリアすることが、目標になります。

その最低条件をクリアできたら(それがそもそも簡単ではないのですが)、

そこから先、仕事を通じて何を得たいのか、が重要になってきます。

仕事が忙しくなれば、人を雇って、さらなる事業拡大を目指すのか。

人を雇わずに、可能な限り自分の時間をすべて投入すれば、

手元に残るお金は増えるでしょう。

私が、税理士の仕事を通じて得たいものは、

「お客様のお役に立てたという実感」

そして「善きご縁の広がり」です。

7年前の方が、今よりも収入はありました。

しかし、収入は減ったものの、

一人ひとりのお客様と向き合えている今の方が、幸福度は高いです。

まとめ

受注を制限する、ということについて、書いてみました。

昨年12月以降の繁忙期は、今シーズン、特に忙しかったように感じます。

12月・・・年末調整(大小合わせて)17社、法人申告が1社

1月・・・法人申告1社

2月・・・法人申告3社(うち清算結了1社)

3月・・・個人の申告(大小合わせて)27人

年明け以降は、まともに休みが取れませんでした。

計算作業に入ってしまえば、比較的早いのですが、

計算に入るまでの準備作業に、時間がかかります。

この準備作業をどれだけ効率化できるかが、今後の課題です。

今回、所得税申告の対応したお客様の中には、

廃業予定の方もいらっしゃいましたので、

私の仕事量には、少し余力が出ると思います。

また近いうちに、個人事業主様からの顧問業務の受注も、

再開しようと思っています。