お疲れ様です。
静岡の税理士、浅原です。
私のお客様の知り合いの方が、とある業種とのマッチングを望んでおり、
その業種と私に付き合いがあったので、
お客様を通じて、ビジネスマッチングの依頼がありました。
私は、マッチングの仲介者という立場になります。
そして、
マッチングを依頼されたお客様の知り合いの方が、
事務所にお越し下さりお話を伺いました。
話を聞いてみますと、
確かに知り合いの方のビジネスと、マッチング先の業種とは、
親和性が高いと感じました。
しかし、
面談の最後に、
私からの質問に対する依頼者の回答が、
どうにも不安感を掻き立てられるものになってしまい、
最後の最後で、マッチングの仲介は辞退することにしました。
マッチングが成立すれば、
その後のビジネスの展開がおもしろそうと思えたので、
残念でした。

質問にピンと来ていない
私が面談の最後にした質問は、
「先方へのご紹介ののち、万が一トラブルや想定外のことが起きたときに、社長(マッチングを依頼されたお知り合いの方)が、すべて責任を負うとお約束できますでしょうか?」
というものです。
私は、仲介者として、
日頃懇意にしている方に、初めてあった人を紹介するとするならば、
当然ながら、紹介先にご迷惑をお掛けするような事態は避けなければなりません。
加えて、
私自身が責任を負うような立場にもなれないので、
「トラブル発生時にはちゃんとフォローしてくれますよね」という意図での質問だったのですが、
どうもこの質問が、ピンとこなかったようです。
「いやいや、ここすごい重要ですよ」と、私は焦りながら、
言葉を変えつつ同じ趣旨の質問を繰り返しました。
「始めてやることには、想定外の事態が付きものですからね」
「マッチングをお願いしているのは、あなたの方なのだから、紹介先に迷惑を掛けるわけにはいかないですよね」
「初めて会う人に信用してもらうには、『とにかく全力を尽くします』と約束するしかないと思いますよ」
「やってみなければわからない話なのに、責任だけはっきり線引きされたら、紹介先は警戒するだけですよ」
いろいろな角度から説明したつもりですが、
「それって、文書で出せってことですか」
「うちが大手なら、そうはならないですよね」と、
最後まで、ピンとくることはありませんでした。
途中、
「あれ、わたしの感覚がおかしいのかな」
とも思いました。
しかし、私自身が確証を得られていないのに、
その依頼者を、懇意にしている人に紹介はできない、と思い、
「現段階でのご紹介は無理です」とお伝えしました。
作法
私はこれらのことを、
「作法の問題」だと捉えています。
ビジネスに限らず、人間関係においては、
「できるだけ相手に迷惑を掛けない」という姿勢が求められます。
(現実には、『迷惑の掛け合い』で成立しているとも言えますが、迷惑を掛けても致し方なし、という姿勢はいけませんね)
いわんや、ビジネスにおいては程度の差こそあれ、
人やモノ、お金を消費することになりますので、
ご近所づきあいよりも厳密な作法が求められると考えています。
それに、初めて取り組むことであれば、
想定外のことって必ず起きるでしょう。
逆に、私の経験では、
想定していたことしか起きなかった、という方が稀です。
共同事業の話を持ち掛けるとなれば、
想定外の事態が発生したときの対応は、必ず論点になります。
それゆえ、想定外の事態への対応については、
必ず回答(というより姿勢)を用意しておかなくてはなりません。
私も、新規のお客様からの業務依頼にあたり、
想定外の事態への対応を聞かれることがあります。
- 経理業務について、分からないポイントが分かっていない
- 会計ソフトへの入力作業はしたことがない
- 人手が必要だけど、従業員を雇ったことがない
- 税金が払えなくなったら
- 運転資金が足りなくなったら
トラブルのすべてを想定することは不可能なので、
最後はこちらの姿勢を示すしかありません。
「すべてのトラブルに対応できるかどうかはわかりませんが、私自身はお客様のトラブル対応に全力を尽くします」
そのように答えるようにしています。
おそらく、
お客様も、そのようなこちらの姿勢を見たいのでしょう。
だいたいそのようなやりとりで、ご納得してくださいます。
お付き合いが始まる最初の段階には、「結果」はありません。
そこで求められているのは、「姿勢」です。
これらは、お願いする側、選んでいただく側の作法です。
昨日の仕事
- 清水区今泉のお客様に所得税申告の報告と、月次資料の確認
- 退去後のお部屋の敷金清算
- 入居中のお部屋の修繕依頼の調整