自営業は「自衛業」

お疲れ様です。

静岡の税理士、浅原です。

スモールビジネスにおいては、自衛力が必要です。

他者の侵害や圧力から、自分のビジネスと生活を守っていく能力です。

大きなビジネスであれば、

弁護士を雇うなり、トラブル対応の専門家を雇うなり、

対応方法はいくらでもあるのですが、

スモールビジネスにおいては、

売上増加に直結しないトラブル対応には、お金をかける余裕はありません。

それゆえ、スモールビジネスでは、

社長や責任者自身が、ご自分の自衛力を高めていく努力が必要です。

紺屋町のコインパーキングから見た空

私自身の反省

自衛力について、

賃貸事業に関することで、私自身、反省している点があります。

簡単に、いきさつについて触れてみます。

かつて、保有物件の空き部屋に、入居申し込みをいただきました。

ただ、その申し込みは、次の点で不安材料が多々あるものでした。

  • そのお部屋は面積が広く、平均的な家賃帯の2倍の家賃で募集していた
  • それにもかかわらず、室内の内覧をせずに申し込まれた
  • その物件は、単身世帯とファミリー世帯が混在している状態ですが、単身世帯が8割を占めており、反面、申込者様には、小さなお子様が多くいた(つまり、お子様が原因となる生活音に対して、『お互い様』という考え方が共有しづらい状況にある)
  • 加えて、当物件は鉄骨マンションなので、上下方向への音が響きやすい

私は、

物件の状況と申込者様の生活様式に、あきらかにミスマッチが生じており、

この申込者様が当物件で生活をしていくには、肩身の狭い思いが避けられないだろうと思い、

入居申し込みを辞退しようと考えました。

そして私から、

上記の理由と申し込み辞退の意思を管理会社様に伝えたところ、

担当者様の反応は、次のようなものでした。

「こっちはオーナーのためにやっているのに、キブン悪いな。・・・(無言)」

私は、

担当者様の想定外の反応にひるんでしまい

(私への言い分もさることながら、入居後のトラブル頻発が目に見えているのに、軌道修正せずに押し切ろうとする担当者様の姿勢に、ドン引きしてしまいました)、

無言の圧力をはじき返すことができず、申し込みを受け入れるしかありませんでした。

(その結論に至るまでに、一晩に2回、ファックス1回、この担当者様に連絡しましたが、いずれも押し返されました。ある意味、この担当者様の執念に負けた、といえます)

これは、

相手の想定外の対応により、

こちらが状況のコントロール能力を失ってしまった悪い例です。

申し込みを受け入れるしかない、となった時点で、

ロスとリターンの計算をしていますので、後悔はありませんが、

私にとっては今後の戒めとなる一件でした。

スモールビジネスの自衛力

多くのスモールビジネスでは、

社長の上にも、社長の横にも、許可や決済を経るべき人物はいません。

トラブルを突き付けられたら、

基本的には社長自身の手で、対応していくしかありません。

つまり、

社長は、トラブルからは逃げられない、

ということです。

また、

スモールビジネスは、事業規模の小ささゆえに、

たったひとつのトラブルでも、かなり重たい負担になりがちです。

それゆえ、

スモールビジネスの社長こそ、

トラブルに対する抵抗力を身に着けておく必要があります。

しかしこれは、

一朝一夕に身につくものではありません。

トラブル自体が、多くの要素が絡み合って生じるものですのであり、

法則性も見出しにくいですし、

往々にして、想定していないところで起きがちです。

かといって、

四六時中、トラブルの芽を探したり、

すべてのことに対して疑いの目を向けていく、

というのも、現実的ではありません。

結論としては、

起きてしまったひとつひとつのトラブルに対して、

しっかり向き合って、根本原因を探り出し、

次回の予防に生かす。

これを繰り返して、自身の経験値を上げていく。

それしかないと思います。

その際に、

「単にトラブルをこなすこと」だけに意識を向けるのか、

それとも、

「このトラブルから何を学び、何を身につけていくのか」という点に意識を向けるのか。

この意識の置き方によって、

自衛力の向上に差が出てきます。

トラブル対応というものは、正解のない世界です。

そして、

トラブル発生時に、対応可能な選択肢の中で、

できるだけダメージを減らせる選択をしていく。

その選択肢を増やす能力が、自衛力です。

日頃から、

トラブルへの抵抗力、

すなわち自衛力を高めていく意識が重要です。

(付け加えると、トラブル対応がうまくできなくても「自分を責め過ぎない」ということも重要ですね)

昨日の仕事

  • 寺院のお客様へ、所得税申告のご報告と、決算対応の打ち合わせ

先々代、先代、現在の住職様と、お付き合いさせていただいている。

お寺はお寺でいろいろあるけど、みな陽気なお坊さんなので、話をしていて楽しい。

  • 空手稽古

小学校卒業と同時に、空手も卒業したお子様がいなくなり、すこし人数的に寂しい。

最後の6人連続の組手が終わったところで、立っていることができなくなる。

いつもながら、疲労が激しい。